地球上に存在する“金”は、2つの中性子星の衝突から生成された?

Text by

  • 12
flickr_Mykl Roventine

flickr_Mykl Roventine

古来よりその妖しい美しさゆえに人類を惑わしてきた“金”ーーそれがどうやって生成されたかご存知だろうか? 水兵リーベ僕の船…と、元素の周期表を覚えた記憶があると思うが、通常、鉄(Fe)までの元素は恒星内部の核融合で生成される。そして超新星爆発により、鉄よりも重い元素が作られるわけだが、金(Au)まで重くなると、それは更にドラマチックな天体イベントにより生成されるとされ、短いガンマ線バーストなどによるものではないかと考えられてきた。

今回の研究では、このガンマ線バーストは、2つの中性子星の衝突から生まれたと思われる証拠が見つかった。そして数日間持続したこの独特なバーストは、相当な量の重金属を生成したとみられている。そう、金もそのひとつなのだ。

「この中性子星の衝突から憶測できるのは、月の約十倍の重さの金の生成だ」と、ハーバード・スミソニアン・センターのエド・バーガー氏は述べる。研究者らは、これまでで一番距離的に近い39億光年先のガンマ線バーストを観測。ガンマ線バーストには長いものと短いものの2種類があり、6月3日に観測されたGRB130603Bは、ほんの0.2秒しか続かない短いものだったそう。

しかしこの短いガンマ線はすぐに消えてしまったものの、その衝撃による“残光”は数日間続いた。主に赤外線で構成されたその残光は、徐々に薄れていき、その様子はさながら放射性物質の放射性崩壊を見ているようだったという。事実、中性子に富んだ天体の衝突は、放射性物質のような元素を作り出すことが可能だ。

さて、このガンマ線バースト。これまで観測されたものは決まって遥か遠くのものであり、「遠くの天体イベント=遥か昔の出来事」という法則から、宇宙に散らばる全ての金は、大昔にこういった中性子星の衝突で作られた可能性があると、研究者は述べる。地球上の金も然り。カール・セーガンの残した名言通り、この世界を構成する物質を含め「我々はみんな星屑で出来ている。」

我々を魅了して止まない金や宝石は、すべて星の死から生まれたものなのである。

Posted: |Updated:

Text by

注目の記事

前の記事を見る

次の記事を見る

Ranking