iPS細胞を使い試験管で「小さな脳」の培養に成功!

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Wikimedia.org/Hugh Guiney

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すごい時代になってきた。なんとオーストリアの研究所が、試験管で人間の“ミニブレイン”を作り出すことに成功! 人間の脳オルガノイドがどのように成長するかを観察することにより、自閉症や統合失調症などの解剖学的な解明に繋がる可能性がある。

この“試験管ブレイン”は、オーストリアの分子バイオテクノロジー研究所により作りだされたもの。彼らは、神経外胚葉と呼ばれる、脳と神経系の構成要素が発達する胚の細胞層を培養。それら組織の断片は、スピニング・バイオリアクターの中で酸素と栄養分を与えられ、脳オルガノイドへと成長した。

その1ヶ月後、このオルガノイドは、網膜、脈絡叢(脳室の中にある髄液を作る場所)、大脳皮質などの、未熟な領域を備えるまでに分化。2ヵ月には、およそ4ミリメートルに達し、実際の脳と比べて非常に小さいながらも、ニューロンが発火する様子が見られたという。

しかし今のところ脳のサイズは関係ない。「われわれの目的は人間の脳の発達段階を分析することだ。それによってモデルを作成し、アニマルモデルで得た知識を人間のものへと応用できれば」と、研究チームのJuergen Knoblich氏は述べている。

同氏率いる研究チームは、脳オルガノイドを使ったモデルで小頭症の原因を突き止めることに既に成功しており、他の発達障害の究明にも期待がかかる。ゆくゆくは実物サイズの脳を研究室で作り出す日が来るのかもしれないが、今の所この培養環境では、一定の期間を超えると脳オルガノイドは上手く成長出来ないらしい。人間の脳はとても複雑であり、それを達成するまでに何年もの月日を要することになるだろうとの事だ。なお、この研究結果は科学誌Nature』で発表されている

しかし脳とは未知なるもの。この脳オルガノイドに意識が宿ったりしないのだろうか……と、考えてしまうのは筆者だけだろうか。

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