生物を根本的に変える!?バクテリアのゲノムを人工的に書き換えることに成功

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Wikimedia/Christoph Bock/Max Planck Institute

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生物学において、生命を人間の手で作り出すことが一つの革命だと言われてきたが、そんなSF的なものが現実になりつつある。なんとイェール大学とハーバード大学の研究者らは、ウイルスへの抵抗を高めるため、バクテリアのゲノムを書き換えることに成功。この研究結果は、科学ジャーナル誌『Science』で発表されている。

ウイルスは感染するために、細菌の作り出すタンパク質を使用する。しかしこれを可能にするには、ウイルスと細菌の間に同じ遺伝子配列が必要となる。これを逆手に取ると、もしホストとなる細菌に同じ遺伝子配列がなければ、ウイルスは感染できなくなってしまうということだ。

今回の研究では、大腸菌のゲノムの中のコドン(アミノ酸1個に対応したヌクレオチドの塩基3個の配列のこと)を、自然界にないタンパク質を生成する遺伝子配列のものと交換。新たな大腸菌は“自然のタンパク質”の生成を抑制することで、ウイルスに抵抗するようになった。

「遺伝子のコードが根本的に書き換えられたのは、今回が初めてだ」と、研究に携わったイェール大学の分子生物学准教授ファーレン・アイザック博士。「新たな遺伝子コードで生物を作り出せた事実は、様々な方面で生物学的機能の飛躍に繋がるだろう」

数々の目的を満たすために、人工のゲノムと自然のゲノムを入れ替えるこの技術。これによる応用は、はかり知れない。研究者らは、遺伝子コードを組み替えたバクテリアを“生きた製造工場”とし、次世代の原料のバイオ製造や、薬の“運び屋”などにも応用出来るのではないかと述べている。

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