光は脳を活性化させる!盲目の人達との研究により明らかに

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flickr_kevin dooley

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室内にこもりっきりで、集中力が切れてしまう日はないだろうか? もしあなたが室内でずっと勉強や仕事をする人ならば、気分転換に太陽の光を浴びると集中力が高まるかもしれない。今回カナダのモントリオール大学と米ボストンのブリガム病院の研究者らが『Journal of Cognitive Neuroscience』で発表した論文には、「光」は脳の機敏さやパフォーマンスなどに影響を与え、覚醒や認知力に重要な役割を果たしているとある。われわれの身体は目が見える見えないに関わらず、光を浴びると脳が活性化され、認知力が高まるのだという。

実験では全盲とされる被験者3人を対象に行われた。全盲の人達の数パーセントには、光をクオリアとして知覚出来なくとも視覚刺激に応答することがあり、この現象は「盲視(ブラインドサイト)」と呼ばれている。たとえ網膜の視細胞には見えていなくとも、網膜の神経節細胞層は光を“視る”ことができるのだ。この珍しい症状を研究することにより、脳の細やかな役割をより詳しく知ることが可能になる。

実験では、まず3人の全盲の被験者に、青い光が点いているか消えているかを答えてもらった。3人は光が見えないにも関わらず、“非意識的な認識”を介して50%以上の確率で正しくそれに回答(被験者の一人は95%という高い確率)。そこで被験者らの「音に関する記憶」を青色光が目にあてられている時と消えている時でテストし、それぞれの場合で脳の機敏さや注意力を比較した所、光の存在がパフォーマンスを向上させる事が判明した

また、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)内でのシンプルな音のマッチングテストの結果では、一分以下の光が、機敏さと認識、ならびにデフォルト・モード・ネットワーク(白昼夢や記憶を思い起こそうとするときなど、安静時に活性化する脳の領域)に関係している、脳の前頭葉前部視床部分を活性化させることが明らかになった。これは、画像の形成を伴わない光受容体が光に対する“非意識下の認識”を誘発し、脳のパフォーマンス部分に刺激を与えている可能性を示唆しているという。

「光を浴びたという認識が全くない3人の全盲の患者たちの脳でも、光に大きく反応したのは驚きだ」と話すのは、この研究に携わったスティーヴン・ロックリー博士。光はわれわれに”もの”を見せてくれるだけではなく、脳を活性化させてくれているのだ。

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