ネアンデルタール人を襲ったウィルスのDNAが人間のジャンクDNAにも存在すると判明!しかしその遺伝子を持つ人達はみんな癌を発症していた…

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Wikimedia.org/Bjørn

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チンパンジーとボノボが霊長類の中でも近縁であるように、かつて人類にもいくつか近縁種が存在したことをご存知だろうか? 約3万年前に絶滅してしまったネアンデルタール人やデニソワ人は、まさにホモ・サピエンスの兄弟。異種交配も可能だといわれているヒト属の別種であり、アフリカ大陸に住むネグロイド以外の現代人類には、1〜4%の先史人類の遺伝子が残されているという研究もあるほどなのだ。

かつて、ネアンデルタール人とデニソワ人を襲ったレトロウィルスに注目した研究がある。その爪跡は先史人類の「ジャンクDNA」と呼ばれる一見何に役だっているのかわからない未解明の領域に見ることができ、研究者らはその14箇所にレトロウイルスの感染の証拠を発見することが出来たという。しかしそれらの痕跡は、ヒトの被験者のDNAの中に見られなかったことから、当時のホモ・サピエンスには感染しなかったとされていた。

今回の研究では、とあるグループの遺伝子解析の結果を注意深く調査した所、現代人のDNAにも14の同レトロウイルスの痕跡のうちの7つが確認された。驚くべきことは、この被験者グループは癌患者であり、このジャンクDNAをもつ67人もまた癌を発症していたということだ(ただし癌患者の全てにこのジャンクDNAが存在するわけではない)。また7つの痕跡しか見つからなかった理由は、ヒト属の各種に分岐する以前の共通の祖先がこのウィルスに感染し、分岐後に遺伝的浮動を経てそれぞれの種のDNAに残ったからではないかとされている。

いずれにせよ、この研究結果は、太古のレトロウイルスの痕跡を表すジャンクDNAが、癌のリスクを高める可能性を示唆している。研究者らは、今後このジャンクDNAを持つ人達と、彼らの健康状態の関連性について調査する予定だ。なお、この研究結果は『Current Biology』に掲載されている。

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