「パラレルワールドは存在する」:物理学者らが提唱

2014年11月01日 08時41分

2014年11月02日 07時10分

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われわれの住む世界は、まだまだ未知が存在する。量子力学もまたそのひとつ。ミクロの粒子が複数の場所に“同時”に存在する「量子重ね合わせ」と、それを観測することで粒子がひとつの状態に収束する「波動関数の収縮」は、研究者らの頭を悩ませてきた。

今回オーストラリア・グリフィス大学のハワード・ワイズマン教授とマイケル・ホール博士率いる研究グループは、SFに出てくるようなパラレルワールドが実際に存在すると提唱。この多世界解釈自体は古くからある仮説のひとつで、コペンハーゲン解釈と同様に有力視されているものである。

ワイズマンの仮説では、これらのパラレルユニバースは互いに干渉し合い、同時に反発し合いながら成長する。そしてこれらの特性こそが、量子力学が不可思議なふるまいをする説明になるのだという。

恐竜が絶滅しなかった世界や、自分が存在しなかった世界

もし「複数の干渉しあう世界(Many Interacting Worlds:MIW)」が存在するならば、観測により波動関数の収縮を起こしたミクロの世界のひとつひとつに分岐した世界が存在する可能性があるという。そうなると、様々な可能性が浮上する。

たとえば巨大隕石の衝突を免れ恐竜が絶滅しなかった世界や、第二次世界大戦が起こらなかった世界、ベルリンの壁が壊されなかった世界や、両親が出会わなく自分が生まれなかった世界もあった可能性がある。こちらの世界とほぼ何も変わらないが、身の回りが少しずつ違うだけの世界も存在し得るだろう。

ワイズマン教授のMIW仮説

  • われわれの住む世界は、おびただしい数の世界のひとつに過ぎない。
  • すべての世界は同じほどに現実的であり、そのひとつひとつに詳細に設定された定数が存在する。
  • すべての量子力学的現象は、われわれの世界と分岐した“近似世界”との間に生じる普遍的な反発力により生じるものである。

この仮説はシミュレーションや実験で検証可能!?

ホール博士はこの仮説の信憑性は実験やシミュレーションで検証可能だと述べる。検証の末、もし世界がたったひとつならば、すべては古典力学に収束する。反対に膨大な数の世界が存在するのなら、量子力学を再現することになる。もしそのどちらでもないなら、古典力学でも量子力学でもない何らかの原理の存在を予言することになるのだという。

このようにして視点を変えることが、新たな実験の構想に繋がり、量子力学現象の説明に繋がる。詳細はジャーナル誌「Physical Review X」で発表されてる。

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