幻のアトランティス大陸の合金?シチリア島沿岸から「オリハルコン」が発見

Text by

  • 11
Wikimedia Commons/Patroclus Kampanakis

Wikimedia Commons/Patroclus Kampanakis

紀元前427〜327年の古代ギリシャに生きた偉大な哲学者プラトン。彼が人生の後期において「クラティウス」に記述したとされる、アトランティスの物語がある。その作中に描写される幻の合金、「オリハルコン」の成分に酷似した金属が、2600年前にシチリア島付近で沈没したとされる船から発見されたと、Discovery Newsが報じている

2600年前に沈没した貿易船

オリハルコンと思われる金属の塊39個は、シチリア島南から約300m沖、深さ3.5mほどにある沈没船から発見された。この船はギリシャか小アジアからの貿易船ではないかとみられている。

シチリア島のジェーラ自治体は、紀元前689年ごろに繁栄し、芸術・工芸品などを造り出す職人たちの仕事場があふれる裕福な場所だったという。今回発見された合金も、芸術品などの装飾に使用されるはずだったものが、沖で嵐に遭い、長年海底で眠っていたものだと思われている。

オリハルコンは銅と亜鉛の合金?

オリハルコンの記述自体は、古代の文献やいくつかの装飾品により知られることとなったようだが、この発見に関わったセバスティアーノ・トゥサ(Sebastiano Tusa)氏は、「こんなものは見たことがない」と話す。

オリハルコンの成分には様々な説があるが、現在学者たちの見解は、真鍮(黄銅)のような合金だったというもので一致している。真鍮は、銅と亜鉛をベースとした合金で、今回発見されたオリハルコンと思われる金属の塊も、75-80パーセントの銅、15-20パーセントの亜鉛、そして数パーセントのニッケル、鉄、鉛が含まれているという。

アトランティスは架空の理想郷?

一夜にして海中に沈んだとされる幻の古代文明アトランティス。プラトンのアトランティス物語は後世、世界中で数々の作品に登場することになったあまりにも有名な話だ。しかし、その存在の確たる証拠は見つかっておらず、プラトンが理想の社会を想定した架空の物語だと言われることも多い。

いずれにせよ今回の発見は、シチリア島の古代貿易を知る上で重大な情報をもたらしてくれるだろう。トゥサ氏率いる研究チームは、今後この沈没船をくまなく調査する予定だという。

Posted: |Updated:

Text by

注目の記事

前の記事を見る

次の記事を見る

Ranking