排水に混入した抗うつ剤が魚の遺伝子を破壊していることが判明、人間への影響は?

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魚,海,大群

うつ病患者が多い日本にも広く出回っている“抗うつ剤”が、生態系に深刻な影響を与える恐れがあることがわかった。

米・ウィスコンシン大学ミルウォーキー校の科学者チームの研究によると、抗うつ剤が混入している水中で育った魚は、その行動や脳の構造に異常をきたすという。

 研究者たちは、主要な下水処理場から2~6マイル離れた水路からコイ科の小魚であるヒメハヤを捕獲し、その様子を観察した。すると、わずかに抗うつ剤が混入した水中でさえ、オスのヒメハヤはメスに興味を示さず単独行動を好み、獲物を捕まえようとするときも動きが鈍いなど、全体的に繁殖力が低下した。また、ときにはメスを殺すなどどう猛な個体まで現れた。

さらに、一般的な水路に見られる程度まで抗うつ剤の濃度を増してみると、メスは卵を産む量が減り、オスは攻撃的になった。また、若い個体においては、脳の構造を司る遺伝子に変化が見られたという。

なお、抗うつ剤は、人間の排泄物や薬品の廃棄によって水路に混入していると見られており、食物連鎖で他の生物、ひいては人間へも影響が広がっていくことなどが危惧されている。

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