新方式の歴史シミュレーションが、実際の国家の発達をほぼ再現

2013年10月02日 18時00分

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これまでの歴史家は、文書として残された史料などを調べて研究をしてきた。だが、コンピュータの時代ともいえる現代、その研究方法にも変革が起きている。数学的モデルを応用した歴史のシミュレーションだ。以前は、シミュレーションゲームに毛の生えた程度のものだったが、近年の進歩は著しい。米国国立数学・生物学統合研究所(National Institute for Mathematical and Biological Synthesis)の所長Sergey Gavrilets氏が率いる研究者グループが最近開発したシミュレーションモデルは、B.C.1500年~A.D.1500年までの国家変遷をほぼ現実通りに再現した。このことは米国科学アカデミーの機関誌「Proceedings of the National Academy of Sciences」に掲載されている。

そのシミュレーションモデルは、自然環境、地理、軍事技術という3つの要素に焦点を合わせて作られている。現実のアフリカ大陸とユーラシア大陸を想定したデータを投入して、B.C.1500年(中国黄河文明の頃)~A.D.1500年(バスコ・ダ・ガマ、インド航路発見の頃)までのシミュレーションを行ったところ、初期国家の成立やその発達・変遷が、ほぼ実際の歴史通りになったとのこと。

これだけ正確なシミュレーションモデルが開発されたことで、「歴史上の出来事を言葉で語るだけでなく、数量的に歴史の普遍的パターンを解明することができるようになった」と、Sergey Gavrilets氏は言う。

過去をシミュレーションして実際の歴史と同じになった? それなら、将来をシミュレーションするとどうなるのか? 背筋がちょっと寒くなる。

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