ジャム売り場で平行四辺形の瓶を目にしたら、それは工学最先端だ

2014年06月12日 11時00分

2014年06月12日 11時00分

芝浦工業大学
芝浦工業大学

近い将来、ジャム売り場で、平行四辺形のガラス瓶を見るようになるはずだ。正確に言うと、底面が平行四辺形になった角柱状の瓶。

少々変わった形のこの瓶、けっしてパッケージデザイナーが気紛れにデザインしたわけではない。実はこの瓶、デザイン工学的なさまざまなテストを繰り返してでき上がった、「最もふたを開けやすい」とされる瓶なのだ。

たかが瓶をここまで研究

この瓶を開発したのは、芝浦工業大学デザイン工学部の橋田教授。瓶のふたを開けるとき、片手で瓶の胴体を持ち、もう一方の手でふたを開けるものだが、胴体が丸いと手が滑って開けにくい。では三角の瓶ではどうか、四角ではどうか……どのような形の瓶が最も開けやすいか? 橋田教授はその形を見つけるために、大真面目に、几帳面に、そして科学的に研究した。

まず、20代から80代の男女にさまざまな形の瓶を開けてもらい、開けやすさ/開けにくさについての詳細なアンケートをとった。

ここまでならあまり驚くことはない。ところが、教授はさらに踏み込んだ。ふたを開閉するときの人の腕の筋電図をとって、筋肉にどのような負担がかかるのかをしっかり解析したのだ。

それだけではない。瓶の形の粘度を用いて、人の手が瓶のどの部分に、どのような圧力を加えるかということまで調べつくした。そしてでき上がったのが、平行四辺形の瓶だ。

近い将来、売り場に登場

この瓶の共同開発者となっている柏葉硝子は、医薬品や食品用の瓶を製造販売する会社。さっそくジャムや佃煮用にこの瓶を採用する予定になっている。意匠登録は出願済み。

スーパーの売り場で見つけたら、本当に最も開けやすいかどうか試してみたいものだ。

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