DNAにデータ保存する手法を米国大学が開発、全人類の情報が9Lの溶液に

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flickr/Victor Svensson

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現在のハードディスクのデータ容量は最高でも10TB(テラバイト)だ。そんなハードディスクの何百倍もの大量情報を保存できる、DNA(遺伝子)をベースにしたデータストレージシステムが、米国の2つの大学で個別に開発された。

ひとつは米国ワシントン大学とマイクロソフト社の共同研究によるもの。もうひとつは米国イリノイ大学が開発したものだ。

このDNAストレージ手法を用いれば、全人類のデジタルデータを、わずか9リットルの水溶液中に保存してしまえるという。

4つの塩基の配列を利用

高校の授業でも習う通り、DNAは4つの塩基(アデニン=A、グアニン=G、シトシン=C、チミン=T))の組み合わせでできている。その配列をデジタルデータの記録に利用しよう、というのがDNAストレージの基本的な考え方だ。

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DNAストレージの最大の利点は、単純に言えば省スペースだ。砂粒ひとつほどの大きさのDNAの固まりの中に、エクサバイト(テラバイトの100万倍)のデータを書き込むことができる。

また、書き込んだデータが壊れにくいというのも特長だ。磁気テープやフラッシュメモリのデータが70〜80年程度持つと言われているのに対し、DNAストレージのデータは数百年持つらしい。

当面の問題は、読み書きにかかる費用

2つの大学の発表によれば、現在、DNAを自由に配列して人工的に作る技術は確立されており、その中から必要な部分を取り出して配列を読み取ることも問題なくできる。つまり、データーの書き込みも、読み取りも実現しているということだ。

ひとつ問題なのは、それを1回やるのに多額の費用がかかるということ。研究者たちは、将来、費用が安くなることを期待している。

ワシントン大学とマイクロソフト社の共同研究では、4枚の画像データをDNAに記録し、それを「わずか1つのエラー」のみで読み取ることに成功している。

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