英学術論文:シンデレラのガラスの靴は歩いただけで割れていたはず

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flickr/Glamhag

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シンデレラはガラスのハイヒールを履いて、じっと立ってはいられたかもしれない。しかし、舞踏会でプリンス・チャーミングの前から逃げ出した時、ほぼ確実に靴は割れ、足が血だらけになっていたはずだ。

英国レスター大学の学生論文

これは、英国で最も優れた大学のひとつとされるレスター大学で、物理学を研究している学生による論文の結論だ。

同大学が毎年発行する論文誌「Journal of Physics Special Topics」の最新号に掲載されているこの論文の中で、その学生は、シンデレラが履いたガラスの靴の物質特性とそこに加わると考えられる力を、様々な場面を想定して精密にシミュレーションしている。

ヒールの高さは1.15cm未満

そして出た結論は、「舞踏会で午前零時を迎えたシンデレラが王子様の前から逃げ去るためには、靴のヒールの高さが1.15cm未満でなければならない」。

映画やアニメや絵本などに登場するガラスの靴のヒールは、明らかに1.15cm より高い。

ヒールの高いガラスの靴を実際に履いた場合、じっと立っていることはできても、走り出せば即座に砕け散ってしまうらしい。

科学がフィクションを研究対象にする時代

論文誌「Journal of Physics Special Topics」には、フィクションの世界を研究対象にした論文が多く掲載されている。

例えば、スーパーマンが映画の中でやったように地球の自転を逆回りさせるのは可能かどうかを検証したり、サンタクロースが全世界の家にプレゼントを届けるのにどのくらいのスピードでそりを走らせればよいかを計算した論文などがある。

「 現実の世界にある論文テーマは、すでにほとんど過去の研究者が取り上げてしまっている」と同大学の物理学教授は海外メディアに語る。「だが、フィクションの世界に目を向ければ、そこにはまだ手つかずのテーマが沢山ころがっている」。

現実を扱う物理学も、ついにフィクションを研究対象にしなければならなくなってきたようだ。

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