iPad世代の今の子どもたちの語彙は減る一方との懸念:英大学研究

Text by

  • 1
flickr_flickingerbrad

flickr_flickingerbrad

今どきの赤ちゃんはスマホやタブレットのタッチパネルを難なく使いこなす。そっちの能力は小さい頃から磨かれていく一方で、これだけ携帯メールやEメール、パソコンが普及したせいで子どもたちの語彙が減っているとの懸念の声が届いている。

というのも私たちは新しい言葉を学習する際、他人から聞いて覚えるよう脳内の回路ができており、デジタル機器と睨めっこしていても語彙は増えないそうだ。最近は大人でも子どもでも知識や言葉を口頭で伝え聞くというチャンスが激減していると嘆くのは、英キングス・カレッジ・ロンドン精神医学研究所のMarco Catani氏。視覚ではものすごく多くの情報をキャッチしているのに、耳からの情報量は極端に少ないのが現状とか。

同氏が27人の被験者に新しい造語を覚えてもらい、脳をスキャンしながらその様子を観察したところ、人は耳で聞いた言葉を真似ることで、新しい言葉を学習していることがわかった。その際脳内の弓状束という神経経路が重要で、音で聞き解読した内容を口に出すというプロセスを司っている。実際に弓状束がしっかりしている人ほど、新しい言葉の習得が容易だったとか。

言葉を習得するには聞くことと繰り返すこと、会話が不可欠で前世代の子どもたちは親や教師とのやり取りで自然に語彙を増やしてきた。こんな時代だからこそ口頭伝承を見直すべき!と同氏は警鐘を鳴らしている。尚、同論文は学術誌『Proceedings of the National Academy of Sciences.』誌に掲載されている。

Posted: |Updated:

注目の記事

前の記事を見る

次の記事を見る

Ranking