言葉の変化・流行り廃りは如実にその時代をあらわす:米大学調査

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言葉は生きているとよくいわれる。では実際言葉はなぜ絶えず変化しているのか、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校の心理学者、パトリシア・グリーンフィールド教授らのチームが調査に乗り出した。

対象言語は英語で、1800年~2000年までに出版された150万冊におよぶ英米の書籍を読み解いた結果、言葉の歴史的な変化は主にその時代の価値観によるところが大きいと判明した。簡単に言えばそれぞれの時代を反映して言葉の流行り廃りがあるということ。特に「選ぶ」と「手に入れる」の2つの単語は、調査対象期間の200年の間に飛躍的に使用頻度を伸ばしている。それに対し「強いる」「与える」といった単語は次第に廃れていった。

「手に入れる」という意味の“get”についてみてみると、1940年代~60年代にかけて一旦廃れるものの、70年代になると再び息を吹き返して多用される。これは第二次世界大戦時(1941年~45年)と公民権運動(50年代~60年代)の時代は、自分が何を“手に入れた”かではなく、他人への興味が勝っていたためだそう。

またこの200年の間に田舎を中心としたローテク社会から、都会中心のハイテク社会へと様変わりし、人々の思考は個人主義に変化した。そのため政府や宗教にまつわる「服従」「祈り」「権威」といった言葉が使われなくなった代わりに、「子ども」「独特」「個人」など個人主義を示唆する言葉が人気となった。

今回の調査ではGoogle Ngram Viewerを使用し、対象となる書籍は小説から教科書におよんだ。同チームでは今後スペイン語、中国語、フランス語も同様の調査を実施したいとし、個人的にはぜひ日本語の変遷も分析してもらいたいところである。尚今回の調査結果はPsychological Science.誌に掲載された。

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