免疫細胞が自ら癌を手助け ストレスが癌の進行を速めると判明:米大学研究

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flickr_Foxtongue

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ストレスが体に悪いと実感している方も多いと思うが、実際にストレスは癌の進行をも加速させることがわかった。米オハイオ州立大学の研究で、ATF3遺伝子が何らかのストレスにさらされた場合、他の細胞を加速度的に癌化させると判明した。

普通の細胞や良性腫瘍は何らかのダメージを受けると自滅するが、癌細胞は腫瘍部位の免疫細胞に働きかけ、その中のATF3遺伝子に作用するとみられる。具体的に何が行われているのかは不明だが、癌細胞からATF3遺伝子に働きかけが及んだ免疫細胞は正常な働きを失い、癌細胞に抜け道を与え他の臓器へと広がっていくのを許すという。

Tsonwin Hai教授によれば、自らの体が手助けしない限り、癌細胞がそれほどまで速いスピ―ドで広がるのは不可能であり、体中の細胞が癌細胞の侵入を許し、遠く離れた部位でもウェルカム状態になるという。同教授は当初、深刻な病状である300人の乳癌患者の免疫細胞におけるATF3の作用を研究していたが、マウスを使った実験で、ATF3遺伝子の有無で乳癌が肺に転移するスピードに大きな差があることを突き止めた。

ストレス遺伝子の異名を持つATF3遺伝子は、癌に侵された患者本人のストレスレベルにより働きが大きく異なり、ストレスを感じている人ほど、体内で癌が好き勝手に広がるのを許すと考えられる。「心身のバランスが保たれているなら問題ないが、免疫細胞は諸刃の剣で一たびストレスにさらされると自らの体を傷つける」と同教授はThe Journal of Clinical Investigation.誌中で結論付けている。

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