犯罪抑止効果あり⁈脳に電気ショックを与えると人は社会のルールに従うようになるとの研究結果

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flickr_steve.garner32

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荒療治のイメージが強いが、脳に電気ショックを与えると犯罪率が減る可能性が出てきた。スイス・チューリッヒ大学の経済学者Ernst Fehr博士らが行った最新の研究で、脳内で社会の流儀に関わる部位がどこにあるのか明らかになり、この部分の神経細胞は経頭蓋直流刺激によってコントロール可能であることがわかった。

経頭蓋直流刺激とは頭に電極を取り付け、痛みを伴わない微弱の電流を頭蓋に流すという治療でも用いられている。この装置で神経細胞を調節するとどうなるのか?-電気ショック療法が犯罪を抑止できる可能性が出てきたそうだ。「社会規範に従うかどうかは本人の常識や信念というよりも、脳の働きによるところが大きいことが判明した」と同博士は語り、善悪を判断するメカニズムを根本的に見直すときがやってきたという。

62人の被験者に金銭を渡し、幾ら自分で使い幾ら知らない人にあげるかを決めてもらう実験を実施。続いて同じ実験を繰り返したが、今度は均等にお金を分けないと罰せられる旨が予め伝えられた。この際右側前頭前皮質に経頭蓋直流刺激をあてて、神経細胞の働きを調節すると公正な判断に影響を及ぼしたという。懲罰に対する恐怖心がある場合、人工的な脳への刺激が加わると更に悪事に対する抑止力が増し、公平な分配を促した。逆に脳への刺激を抑えると、自ら進んで公平に分配する人は多かったものの、罰せられるとわかっている状況では自分の取り分を増やす人の割合が増えたという。

偏見かもしれないが、ネット民の反応を見ても電気ショック療法への嫌悪感、拒否反応は依然根強いようだ。具体的な数値は不明ながら、脳への刺激を抑えても自ら率先して平等に分配した人が多かったのが救い-人々が持つ良心は推して知るべしと信じたい。尚同実験結果は『PsychCentral.』誌に掲載されている。

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