【イラン】死刑執行したのに生きていた被告の全快を待ち、再び絞首刑に処するとの司法判断に猛抗議

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先週イランではある男の絞首刑が執行された。違法薬物の密売で捕まり死刑を宣告されたAlireza(37)の首にはロープが回され、刑の執行から12分後彼の死亡が確認された。ところが翌日遺族に引き渡すため遺体安置所を訪れた職員は、Alirezaを覆うプラスチック製のカバーが曇っているのに気付き目を見張った。Alirezaは生きていたのだ!

AlirezaはすぐさまボジュヌールドにあるImam Ali病院に運ばれ、救命処置が行われた。しかし家族が喜んだのも束の間、この時点で彼の全快を待ち再び絞首刑に処されることが決定したというから神の仏もアラーもない。裁判所は、一度正式に死刑が決定しているのだから死ぬまでやるのが当たり前と主張するも、同国は世界で5本の指に入るほど死刑執行が頻繁に行われており(2012年には少なくとも314人が死刑に)、人権団体から抗議の声が上がっている。担当看護師によればAlirezaの全身状態は良好で、日に日に快方に向かっているらしく、これも世間の同情を集める理由だろう。

期せずして父親が生きていたことに、2人の娘は飛び上がらんばかりに喜んだというが、このままでは当人はもちろん娘たちは再び地獄の苦しみを味わうことになる。素朴な疑問だが、どうせ死刑なのになぜ全快するまで待つのか?イランでは刑の執行時、被告本人が健康であるべきと法律で決まっており、被告がこん睡状態だったり妊娠している場合は、健康が回復するまで待つ決まりとなっている。

人権回復を約束し、大統領に就任したはずのハサン・ロウハーニー氏だったが、8月初めの就任以降わずか2か月の間に、既に125人の死刑が執行されてお物議を醸している。もっとも司法はロウハーニー政権とは別物で、最高指導者アリー・ハーメネイー氏が実権を握っているともいわれ、日本人には複雑怪奇なシステムである。「死にきれなかった被告を再び絞首台に立たせるなど言語道断!」との人権団体の叫びがイラン司法に届くのか、今後の動向が注目される。

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