「食後すぐの歯みがきは歯を溶かす」に日本小児歯科学会がNO

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Flickr/angel_ina

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食後はすぐに歯磨きを。子供のころ繰り返し教えられたことだが、最近この教えをめぐり異論が唱えられていた。曰く食後すぐ磨くと歯が溶けて良くないというのだ。

だが日本小児歯科学会はこれに待ったをかけた。

実験の環境と実際の虫歯メカニズムは違う

小児歯科学会が指摘するのは、実験は人為的に作られた環境で行われたが、それは食後の口腔を正確に再現したものではない点だ。

酸性炭酸飲料に歯の象牙質の試験片を90秒間浸した後、口の中にもどしてその後の歯みがき開始時間の違いによる酸の浸透を調べた論文で、むし歯とは異なる「酸蝕症」の実験による見解なのです。

一般的な歯は象牙質を酸に強いエナメル質が覆っている。また唾液には酸を中和する働きもあり、よほど頻繁に摂取しない限り実験のようにはならない。

つまり、一般的な食事ではこのような酸蝕症は起こりにくいと考えられます。

やはり歯磨きはすぐ行ったほうがいい

歯みがきの主な目的は歯垢の除去と酸の原料になる糖質を取り除くことにある。

歯垢と糖質が歯に付着したままにしておくと、歯垢中の細菌によって糖質から酸が作られ、歯が溶け出す脱灰という現象が始まる。

食後すぐの歯みがきは歯を溶かすと考え磨かないと、かえって多くの酸が口腔内で作られてしまうことになるのだ。

よって小児歯科学会の結論も以下のようになる。

通常の食事の時は早めに歯みがきをして歯垢とその中の細菌を取り除いて脱灰を防ぐことの方が重要です。

小児歯科学会では、これまでどおり食後すぐの歯みがきを支持している。

初期の報道も「象牙質が出たら」の条件付きだった

今回の発表では「あたかも歯が溶けてしまうような報道が新聞やテレビで伝えられた」とあるが、具体的にはどこがどのような伝え方をしたのか。

NHK『ためしてガッテン』の公式サイトを見ると、歯みがきの新常識としてこの話が2010年に紹介されていた。

だが内容をよく見れば対象は知覚過敏に悩む人であり、象牙質が露出してしまったら歯みがきの仕方を変える必要がある、というところがポイントになっている。

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