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実は明るい歌だった?川崎のゴミ収集車のあの音楽の正体とは

川崎市のゴミ収集車(筆者撮影)

川崎市のゴミ収集車(筆者撮影)

神奈川県川崎市は同県北部、東京都と横浜市に挟まれた政令指定都市である。

戦後、70年近く増え続けている人口は2016年8月時点で約148万8千人。

県庁所在地以外の市で最大の人口であり、都道府県と比べても降順で25位に相当する。

川崎市の位置 出典元:白地図専門店

そんなに川崎市民の多くが、耳にすると焦り出すメロディーがあるという。

朝、住宅街に迫り来る胸をざわつかせる音色とは……。

好きです、かわさき、愛の街っ♪

……あれれ、ちょっと暗いかも?

このメロディーの正体は、川崎市民の歌「好きです かわさき 愛の街」である。

冒頭は少し情緒的だが、後半は下の歌詞の通り陽気なメロディーとなる。

新しい朝は生まれて
人びとの軽い足どり
好きです 日差しの似合う街
好きです かわさき 愛の街

(各種資料より1番後半を引用)

2014年にはご当地アイドルグループ「川崎純情小町☆」がリバイバルし、より明るい曲調で聞くことができる。(歌は0:27~)

作曲は「寅さん」のテーマ曲と同じ人

市公式サイトによると、1984年に市制60周年を記念し、文語体の川崎市歌とは別に、気軽に口ずさめる音楽として制定された。

作詞の肥後義子さんは、一般公募から選出。作曲の山本直純さんは、映画「男はつらいよ」シリーズのテーマ曲を生んだ音楽界の大御所だ。

なるほど、どうりで印象的なメロディーなわけだ。

現在、市環境局の約140台のゴミ収集車すべてがオルゴール版を流しながら市内を巡回。

朝方、このメロディーが聞こえてきたらゴミの回収時間である。

生活に密着した旋律は、30年以上経っても色あせずに市民に親しまれている。

なぜゴミ収集車で流すのか

なぜ、市民の歌をゴミ収集車に採用したのだろうか。

市環境局によると、流し始めたのは歌ができた翌年の1985年6月から。

住民同士の一体感を高めようと、市民の歌を活用する方針の一環として採用したという。

それまでは、クラシック音楽「乙女の祈り」のオルゴール版を流していたそうだ。

川崎市中心部 出典元:フリー川崎写真集5000

川崎市中心部 出典元:フリー川崎写真集5000

「長いことやっているので、ゴミ収集の合図として広く定着しています。働く車が好きなお子さんも喜ぶという声も聞いています」(環境局)

市民が分かりあえる歌となった今、一体感を高めたいという願いは実現していると言えよう。

なお、「聞こえにくい」という意見で音量を大きくしている地区もある一方、意外なことに「オルゴールの音を騒がしく感じる」という苦情で小さくしている地区もあるそうだ。

歌詞があること知らずとも

広く浸透したメロディーの一方、市民に聞くと「歌詞が付いていることを知らなかった」という声が少ないくない。

「音楽のまち・かわさき」推進協議会によると、川崎純情小町☆のカバー以降、現時点で特に普及活動は予定していないという。

ただし、協議会ではオルゴール版や川崎競馬場のファンファーレなどご当地ソング17曲を収録したCD(1枚1,500円)を発売している。

また、地元・川崎フロンターレの応援ソングとしても受け継がれている。

すでに音色が定着しているので、歌詞も広めようと思えばそう難しくはないだろう。

川崎市役所本庁舎 出典元:フリー川崎写真集5000

川崎市役所本庁舎 出典元:フリー川崎写真集5000

直近では大ヒット中の映画「シン・ゴジラ」の主要舞台として登場した川崎市。

市関係者からは「たくさん壊してもらえた!」と喜びの声も上がっているとかいないとか。

ゴジラもこんなに明るいBGMで上陸してきたら、なんだか人類と共存できそうである。

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