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高知の女性に“ハレンチふんどし”が人気!?「締め付けない」好評、仕掛け人に聞く

harenchiのふんどし

harenchiのふんどし

陳列するのは、柔らかな布地を鮮やかなパステルカラーで染め上げた下着。

「harenchi」(ハレンチ)と記した「ふんどし」の数々は、すべて一人の男が手づくりしている。

harenchiの色鮮やかなふんどし

harenchiの色鮮やかなふんどし

高知市の山下裕矢さん(36)がつくるふんどしが、地元の女性たちから「締め付けがなく、心地よい」とじわじわと人気を集めている。

サラリーマンから転じ、ふんどしを手に起業した男が目指す先とは。

ふんどしを売る山下さん(右)

ふんどしを売る山下さん(右)

締め付けなく試着でハマる

山下さんは2014年からふんどしと蝶ネクタイを自らつくり、高知県内のイベント会場や販売サイトなどで1枚2,000円前後で販売する。

ふんどしは一般的な前垂れがある「越中型」ではなく、前垂れがなくズボンでも違和感がない「もっこ型」を製造。

ダブルガーゼなど3種の生地で3サイズ20色を用意している。

裁断の形を工夫し男女兼用としたが、大半が女性客だ。若者からお年寄りまで人気を得ている。

露店で購入した女性客

イベントで購入した女性客 提供:harenchi

「女性の下着は締め付けるものが多いので、ふんどしをはくと腰回りが楽だなと感じるそうです。

友達と2~3人で来店して最初はためらいますが、1人が買うとその人から感想を聞いて次はみんなで買っていく。

試しにはいた後の感想が全然違います。下着のラインが出にくいという点も受けているようです」

以前のイベント時に買った女性が、別会場でわざわざ友人たちを連れて訪れたこともあったという。

harenchiの陳列風景

harenchiの陳列風景

一方、男性客の購入はかなり少なく、ほとんどがカップルや夫婦での来店だ。

「もともと男性の下着は締め付けがありませんし、はければ何でもいいって人が多いんでしょうね(笑)」

結果的に起業した

山下さんとふんどしの出会いは、10年以上前、知人男性からアフリカ土産としてもらった越中型ふんどしだ。

快適さが気に入り、その後5~6年ほどで越中型を4枚ほど買い集めてたまに身に付けるようになった。

しかし、ズボンをはいた時に前垂れが邪魔で「なかったらいいのに」と思っていたという。

harenchi

harenchiのふんどし

14年ごろ、元来のものづくり好きが高じてミシンで「もっこ型」を自作して愛用するように。

それまでのパンツは雑巾などとして再利用したのちに、すべて廃棄した。

周囲の勧めを受けてイベントで売り始めると、徐々に注力するようになり、15年に会社を辞めた。

肌ざわりをもっとも重視し、さまざまな素材を試し続けている。

商品棚に並ぶharenchiのふんどし

商品棚に並ぶharenchiのふんどし

「ふんどしのためにサラリーマンを辞めたわけではありません。

自分がはきたいものをつくっていたら、結果的に起業になったという形です。苦労も全然感じていませんね」

地方だからこそ、多様な年代や職業の人とも深い人間を築けているとも感じている。

「身近に色んな年代で色んな仕事をしている人がいる。形や生地のリサーチがしやすく、改良につながりました」

harenchiの出店の外観

harenchiの出店の外観

ぎすぎす時代に下着だけでも気楽に

現在、女性がおりものの際にも使えるふんどしを開発中だ。

客層の大半を占める女性たちが、締め付けが特につらい時こそ使えるものにしたいと意気込む。

「まだ全然できていない」状態だが、男性の山下さんにとって未知の世界で試行錯誤が続く。

洒落っ気の効いたブランド名「harenchi」には、はくことで「晴れ」晴れするという意味を込めている。

「世の中、なんかぎすぎすしているでしょう。

締め付けがないふんどしをはくことで、ちょっとでもリラックスをしてほしいんです。

実際にはいたら話のネタにもなるし、生活にふんどしで面白さを加えられたらいいですね」

harenchi3

売り上げはまだ上下が激しいというが、今後は高知県外のイベントにも出店して広げていくつもりだ。

「今一度日本を洗濯いたし候」と宣言した坂本龍馬を生んだ土地。山下さんの挑戦は下着の価値観を洗い直すのか。

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