シェア

青森でナマコ似エクレアが発売!一方、沖縄にはエクレア似のナマコが棲息

エクレアナマコ2

ナマコ似のエクレアと、エクレア似のナマコ。

冗談のようだが、どちらも実在している。

古来より珍味として親しまれるナマコだが、ここ数年、おしゃれな洋菓子エクレアとイメージが被りつつあるようだ。

「なまこエクレア」を開発した青森県の菓子店と、「エクレアナマコ」を発見・命名した沖縄県の大学に、それぞれ理由を聞いてみた。

洋菓子のエクレア(手前)とエクレアナマコ(奥)

洋菓子のエクレア(手前)とエクレアナマコ

特産のナマコをPRしたい

ナマコに似せたエクレア「横浜なまこエクレア」を開発したのは、青森県野辺地町(のへじまち)の「むらなか製菓」。

ナマコの名産地である隣の横浜町の地域おこし団体から注文を受けて開発した。

横浜なまこフェアに合わせ、12月10日から町内の道の駅よこはまトラベルプラザ・サンシャインで販売している。

出典元:青森県観光連盟アプティネット

横浜産のクロナマコ 出典元:青森県観光情報アプティネット

チョコレートの塗り方を工夫し、ナマコのぶつぶつを再現。クリームには、漢方薬にも使われる高級品・ナマコ粉末を混ぜて甘味を控えたの特長だ。

同店の村中久美子代表が製作を振り返る。

どうしたら似せられるかなと2~3回試作しました。

卵を混ぜる以上、真っ黒にはできないので複数の色を混ぜて黒に近付けています。

(ナマコ粉末の)生臭さを消すために、バニラも少し加えました。

横浜なまこエクレア

横浜なまこエクレア

現在は12月25日(日)までの期間限定販売の予定だが、「反響が良ければ、(来春に横浜町である)菜の花フェスティバルまで販売したい」としている。

村中さん自身は海の近くで育ち、幼少期の体験からナマコは「個人的に好きではない」そうだ。

そのうえで、「ナマコが苦手な人でも、なまこエクレアは食べられます。本物と違って柔らかいので、子供もお年寄りも安心して食べてください」とPRしている。

海底に放置されたエクレア

一方、2011年には「エクレアナマコ」が沖縄本島近海で発見されていた。

種としては05年にオーストラリアで見つかっていたが、琉球大学の成瀬研究室・上野大輔特任研究員(現・鹿児島大助教)が北半球での棲息を初めて確認し、和名を付けた。

上野さんなどによると、エクレアナマコはクリーム色の体にチョコレートを塗ったようなこげ茶色の模様が背中を覆う。

水深40~50メートルほどの比較的深い海底に棲み、体長は40~50センチほどでナマコとしては大型の部類という。

エクレアナマコ2

上野さんはこのナマコの発見時、「エクレアにそっくりだと強く思った」という。

写真では伝わりにくいかもしれませんが、実物は丸みを帯びたソーセージのような形状と、上面にチョコレートをまぶしたような模様がエクレアに非常によく似ています。

実際に水中で見た場合は、海底にエクレアが放置されているように見え、この認識は今も変わりません。

肝心の味については「磯の臭いとエグ味の混じったような苦味と渋みがあり、エクレアとはまるで共通性がありません。不味いです」と断言した。

なお、なまこエクレアを作った村中さんは、発売後に知人に教えられるまでエクレアナマコの存在を知らなかったという。

初めてナマコを食らう度胸

ゆっくりと移動するナマコは、捕獲しやすいせいか、古事記に記録が残るほど昔から食べられてきた。

2017年に生誕150年を迎える文豪・夏目漱石の名著「吾輩は猫である」に、有名な一節がある。

始めて海鼠(なまこ)を食い出せる人は其(その)胆力に於(おい)て敬すべく、始めて河豚(ふぐ)を喫せる漢(おとこ)は其勇気に於て重んずべし。

(口語訳:初めてナマコを食べようとした人の度胸には敬服すべきだし、初めてフグを口にした男の勇気も評価されるべきだ)

横浜なまこエクレア

横浜なまこエクレア

外見で損をしている黒いナマコのために誕生した、甘くておいしいなまこエクレア。

見た目は食べられそうなのに、食用に適さないエクレアナマコ。

人類はその創意工夫と探究心によって、きょうも少しずつ食文化を深めている。

※むらなか製菓では「横浜なまこエクレア」を一般販売していません。横浜町の2施設のみで購入できます。

Posted: |Updated:

Text by

前の記事を見る

次の記事を見る

注目の記事

Ranking