残業代ゼロの「ホワイトカラー・エグゼンプション」、7割が賛成

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ホワイトカラーの労働者を対象に、週40時間の労働時間の規制を外し、成果に対して給与を支払う「ホワイトカラー・エグゼンプション」(WE)。政府が2014年6月に、年収1000万円以上の専門職などに限り、導入を示した制度だ。

すでに一部企業では、制度化を待たずに検討を進めているというが、一方で「残業代ゼロ」を推進するとして、反発の声も少なくない。現場の人事担当者や管理職、経営者は、制度についてどう考えているのだろうか。

約7割の経営者・管理職が「賛成」

アイ・キューが2014年10月8日に発表した調査によると、対象となった306社のうち、「賛成する」は34.8%、「どちらかと言えば賛成する」は34.8%で、約7割が肯定的であること分かった。

具体的には、「生産性向上につながる」など全面的に賛成する意見のほか、「年収1000万円では対象範囲が狭い」など、条件に関して疑問視するコメントも多く挙げられている。

「量より質」が会社のホンネ?

その一方で、「WE」導入の効果については、「効果はない」(23.5%)が最も多い結果となっている。これは、導入に「反対」(29.8%)とほぼ同率で、反対者は「そもそも効果はない」と考えていることが分かる。

次いで多かったのは、「業務の生産性が向上する」(21.2%)、「成果に応じた正当な報酬を従業員に与えることができる」(16.5%)で、その理由として「残業代稼ぎのために理不尽に残る社員が減る」「個々の社員の能力を正当に評価できれば、生産性の向上につながるはず」などの声が目立ち、「量より質」を求める会社側のホンネがうかがえる。

導入のカギは「透明性の高い評価制度」

また、制度が導入された場合の影響については、「人事制度の改定が必要になる」(40.0%)が最も多く、次いで「長時間労働が増加する」(20.0%)となっている。

同制度は、成果に対して給与を決めるというもの。そのため、「透明性の高い評価制度が必要」「業務の進捗状況やプロセスを評価する人事制度に改定する必要がある」などの声にあるように、いかに成果を評価するかが課題になると言える。

年収1000万円超は会社員全体の約4%

ちなみに、国税庁が2014年9月に発表した調査によると、年収1000万円を超える会社員は全体のわずか3.9%で、1割にも満たない。つまり、一般の会社員にとっては、すぐに影響を受ける制度ではないと言える。

しかし、2005年に経団連が行った提言では、対象は「年収400万円以上」とされており、この場合は全体の41.5%と、ぐっと身近な話になってくる。一度制度が導入されれば、「なし崩しに範囲は広がる」といった意見もあり、WEの制度化は、これからの「働き方」について考えるきっかけになりそうだ。

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