増える「奨学金滞納問題」の救世主?企業が返還金を給与で支給

Text by

  • 0
123RF

123RF

大学生の多くが利用する、奨学金制度。日本学生支援機構(JASSO)によると、その利用者は年々増加しているが、同時に返還の延滞者も増加しているという。

奨学金といえども、返還を延滞するとさまざまな措置が取られることから、昨今では社会問題にもなっている。そんな「奨学金滞納問題」の支援策として、奨学金返還分を給与に付加して”支給”してくれる企業があるという。

社内試験に合格すれば返還金を給与に上乗せ

深刻化する「奨学金滞納問題」に対し、新たな取り組みを始めたのは、メガネの製造・販売を手掛けるオンデーズだ。同社は2014年11月19日、卒業した奨学生の負担となっている奨学金の返還金を給与に付加する「奨学金返金救済制度」を12月に導入すると発表した。

対象となるのは、学生時に奨学金を受給し、現在も返済を続けている社員。筆記試験・プレゼン・グループワーク・面接などの社内試験に合格すれば、給与に月々の返還額を上乗せした金額を支給するという。

延滞者は約33万人、滞納額は約900億円

昨今、就職難や非正規雇用の増加、賃金低下などから、大学を卒業しても奨学金を返還できない人が増えている。JASSOによると、2012年時点で奨学金滞納者は33万4000人で、滞納額は925億円にも上るという。これは、1998年の15万人に比べて、倍以上の数となる。

延滞のペナルティでローンが組めないことも

奨学金は、延滞すると電話による督促や延滞金が課されるが、”ペナルティ”はそれだけではない。3カ月以上延滞すると、個人情報が個人信用情報機関へ提供され、9カ月以上になると、財産の差し押さえなどが行われることもあるという。特に、個人信用情報機関への個人情報登録は、延滞情報からクレジットカードやローンが利用できなくなるというリスクもある。

新社会人の生活を企業としてバックアップ

JASSOでは、経済的理由などから奨学金の返還が困難な人に対し、返済期間を延長して1回の返済額を減らす「減額返還制度」や、一定の所得がなければ返済を猶予する「所得連動返還型無利子奨学金制度」を設けているが、問題の解決には至っていないのが現状だ。

奨学金は、学生が自立して学ぶことを支援するものであると同時に、卒業後に返還された奨学金が次世代の学生を支えるという役割も持つ。同社では、こうした奨学金の重要性を考慮し、「企業に就職する新社会人の生活と、次の世代の学生を企業としてバックアップできる体制づくりが必要」だとしている。

こうした企業としての新たな取り組みが、「奨学金滞納問題」への救世主となるのか、今後に注目したい。

Posted: |Updated:

Text by

注目の記事

前の記事を見る

次の記事を見る

Ranking