チョークの老舗「羽衣チョーク」が廃業!教室から黒板、チョークがなくなる?

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世界中から定評のあるチョークメーカー「羽衣チョーク」が2015年3月で廃業することが明らかになり、教育業界内外から惜しむ声があがっている。

需要の減少などから廃業を発表

「羽衣チョーク」は「チョーク界のロールスロイス」とも言われ、その品質の高さは日本国内だけでなく海外からも高い評価を得ている。

教師や講師などの教育関係者だけでなく、生徒として使ったことがある人、その名称に聞きおぼえがある人は多いだろう。

その「羽衣チョーク」を製造、販売してきた「羽衣文具」が公式ホームページ上で廃業を発表した。

廃業のご案内

日頃は弊社製品をご愛顧頂き、厚くお礼申し上げます。
さて、弊社では平成27年3月末日をもちまして廃業いたすこととなりました。・・・少子化と教育環境の変化による需要の減少、後継者不在に加え私の体調不良により、やむなく廃業を決心いたしました。皆様方には大変ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
皆様の長年にわたるご愛顧に心から感謝申し上げます。
まずは、廃業のご挨拶を申し上げます。

平成26年10月

羽衣文具株式会社
代表取締役   渡 部 隆 康

 ネット上では廃業を惜しむ声が相次いでいる。

「羽衣チョーク」は創業以来80年あまりにわたり、さまざまなチョークを開発、製造してきた。

特に、手につかない被膜つきの「ポリチョーク」、雨にぬれても消えない「レインチョーク」、色覚障害の子どもたちに対応するために開発された「蛍光チョーク」などは有名だ。

チョークについては他にも数社のメーカーが作っている。

羽衣文具の炭酸カルシウムチョーク「フルタッチ」は他社との技術融合により、新たな炭酸カルシウムチョークとして販売する予定という。

教育の現場は「電子黒板」にシフト

現在、学校教育の環境は急激に変化しつつある。

2006年に開校した京都市の立命館小学校では、全教室にホワイトボードが設置されている。電子黒板も関西で初めて全教室に導入した。

電子黒板というのは、教師が手元で操作するパソコンの画面が大きく映し出される黒板。電子ペンで黒板に文字を書き込むこともできる。

さらに教科書内のページやホームページの画面を映し出すこともできる。

文部科学省による「電子黒板を活用した教育に関する調査研究」(平成21年度)では、全国 115 校の小中学校 全教室に電子黒板を導入して活用頻度などを調査した。

その結果、「教師自身の説明がしやすくなった」「子どもの集中力が高まった」という声が聞かれ、「電子黒板が配備されれば、相当数の利用が望める」と考察している。

そうした中、従来の黒板の生産量は激減し、各メーカーは電子黒板の製造にシフトしている。

同様にチョークの生産量も激減。後継者も不足し、羽衣チョークは廃業せざるを得なくなった。

チョークで描いたアートに子供たちが大喜び

しかし、従来の黒板とチョークにこだわる学校や関係者も多い。

18日には東京・立川市立南砂小学校で、休みの間に黒板に芸術的な絵が描かれていて、登校してきた生徒たちが驚いたというニュースが話題となった。

武蔵野美術大の学生らが、休みの間に小学校を訪れ、児童に内緒で全学級の黒板にリアルな目玉焼きなどの絵をチョークで描いた。

「黒板ジャック」と名付けられたこの企画は、同大が小中高校で取り組む美術交流の一環だ。子供たちは「これチョークで書いたの?」「どうやって?」などと大騒ぎだったという。

チョークを使った手描きの絵だからこそ子供たちに新鮮な驚きと知的好奇心を提供できたと言える。

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