「先生は、一人ひとりが大事な存在だと言ってくれた…」NYの危険地域に住む少年の言葉が泣ける

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Facebook/Humans of New York

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1人のカメラマンと少年の出会いが「小さな」奇跡を起こし、全米で話題になっている。

犯罪多発地帯の少年から校長先生への感謝の言葉

2人が出会った場所はブルックリンの街角。ニューヨークで最も犯罪が多いと言われる地域に隣接した区域だ。

そこでストリート・カメラマンのブランドン・スタントンさんが、13歳のヴィダル・チャスタネット君を見かけ、声をかけて写真を撮った。その時、自分の人生に一番影響を与えた人を聞いたところ「校長先生のナディア・ロペス先生だよ」と即答したという。

(・・・何か問題が起こっても、先生は誰にも罰を与えない。僕たちを校長室に呼んで、社会がどんなふうに成り立っているのかを説明してくれるんだ・・・ある日先生は、生徒全員を立たせて、一人ひとりに、あなたは大事な存在なのだと言ってくれた)

このヴィダル君の先生への感謝の言葉と写真が人気サイトのフォトブログ「ヒューマンズ・オブ・ニューヨーク」のFacebookに投稿されると大反響を呼び、多くのコメントが寄せられた。

  • 世界中の賞をこのロペス先生にあげたい。十分な資金がない中で子供たちを教育し、彼らの人生を変えようと努力している女性だ
  • もっと学校にこういう先生がたくさんいるといいのに
  • 私が学校に通っていたころは、誰も私のことなんて気にかけてくれなかった。だから学校が嫌いだったの。でもその時ロペス先生に出会っていたら…
  • このことをこの子が理解しているのがすごい
  • 泣きながら読んでいます。単なるFacebookページがここまで人を感動させるなんて信じられない
  • スポーツ選手や芸能人の名前でなく校長先生の名前を挙げるなんて!こういう子を育てた先生は素晴らしい!
  • ナディア・ロペスさんがもっといたらいいのに、じゃなくて私たち自身がロペスさんにならなければ

この反響を見て、スタントンさんはこれを学校への寄付金集めにつなげようと思い立ち、クラウドファンディングで寄付金を募った。

indiegogo/life

すると瞬く間に資金が集まり、120万ドルを超えた。ロペスさんは寄付金に対する謝辞の中でこう語っている。

「この寄付金のことがある前、私はもう心が折れそうになっていました。つらいことがたくさん起こったからです。特に白人と黒人の問題です」

Instagram/humansofny

また、ヴィダル君は自分が住む地域についてこう話している。

「道のあちこちでウンチやおしっこをしている人がいる。親切じゃない人もいる。そういう人たちは悲しみとか怒りを感じているわけじゃない。たぶん空っぽだと感じているんだ。周りにはネガティブなものばかりだから、自分もネガティブなものの一部だ、自分はダメな人間なんだと感じてしまう・・・」

 ロペスさんによるとこの地域は「公園にも遊び場にも誰もいない。危険だからです。図書館も安全ではない。この間は真昼の大通りでうちの学校の生徒が銃を突き付けられました」という。

子どもたちと一緒にハーバード大へ

そうした中、集まった寄付金の一部で、ロペスさんは念願の夢をひとつかなえた。6年生の子供たちをハーバード大学に連れて行ったのである。

ハーバードに連れて行くだけ?と思う方もいるかもしれない。だがロペスさんはこの地域の子供たちにとって大きな一歩だと考えている。

これまでニューヨークを出たこともなかった子どもたちを世界最高峰の大学に連れていくことで、生徒たちの世界が広がると考えたのだ。そして彼らにもこうした敬慕される場所の人間になる可能性があるということを実感させたかったという。

ヴィダル君はハーバード大へ行く前に、ホワイトハウスに寄った。この話を聞いたオバマ大統領に招待されたのだ。

Instagram/humansofny

 この写真にスタントンさんはこうキャプションをつけている。

ロペスさんは何度もこう話していた。自分の生徒たちが入れない世界なんてない。そして最近、それを証明する招待が届いた

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