若者世代の投票率が1%下がると、若者は1人当たり年間13万5000円損しているとの試算(東北大調査)

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来る7月21日に第23回参議院選挙が行われる。選挙で毎回指摘されるのが、投票率の低さ。では、実際に投票しなかったら、どんな不利益があるというのか? その点について、これまであまり明らかではなかった(少なくとも筆者の記憶に残るほど分かりやすいものはなかった)が、投票しなかったことで生じる不利益を明示してくれる調査結果が登場した。

東北大学大学院経済学研究科の吉田浩教授と経済学部加齢経済ゼミナール所属の学生らは、1967年からの衆・参国政選挙の年齢別投票率と国の予算の統計を収集し、両者の関係を分析した。その結果、若年世代(20歳から49歳まで)の投票率が低下するに従って、国債発行額が増加し、社会保障支出も若年世代よりも高齢世代(50歳以上)に多く配分されていたことが分かった。

さらにこの分析結果を用いて試算すると、選挙棄権により若年世代の投票率が1%低下すれば、若年世代1人当たり年間およそ13万5000円分の損失が発生している結果となった。内訳としては、国債の新規発行が7万5300円増え、「高齢世代1人あたりの年金などの高齢者向け給付」が「若年世代1人あたりの児童手当などとの家族給付の額」に対して5万9800円増えていた。

この研究報告から、「これは、若年世代が投票権を行使しないことによって失っている便益であり、選挙棄権のコストである。これは言い換えると『政治に参加しなかったことによるペナルティー』であり、目に見えない『政治不参加税』といえる。また、先進諸国の中では日本は若年世代に対する家族給付よりも高齢者向け給付の比率が高く、少子化の一因になっているとも言える。若年世代はこのような政治不参加のコストを認識して、世代の声が財政政策に反映されるように投票に参加する行動を起こすことや、国政選挙における若年世代の候補者の比率が高まることも期待される」と締めくくられている。

このように分かりやすい不利益があるのだから、もう選挙に行かない理由はないだろう。各政党と各候補者を吟味して、納得できる候補者に投票しよう。

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