新興SNS「Ello」、利用者数爆発的増加の理由

Text by

  • 1
ello.co

ello.co

新規に登場したソーシャルネットワーキングサービスElloが、この数日で登録者数を急激に伸ばしている。

広告の無いSNS、Ello

Elloが公開されたのは今年の3月。その名はHelloに由来する。FacebookのようなSNSの一つであるが、その特徴としてサイトに広告を載せず、ユーザデータを商業利用しないという方針が挙げられる。

「利潤を得るためにあなたの個人データを集め売却したり、友人へのあなたの投稿を読んだり、あなたの社会的コネクションを探ったりすることは、汚らわしく非道徳的なことです」と、“What is Ello?”に言明されている通りである。

広告が全く無いため、サイトも見ての通りシンプル。

利用は基本無料だが、有料の拡張サービスもあるようだ。現在はベータバージョンで、参加には招待が必要とのこと。記事へのコメントや返答、ブロックといった機能は今のところ未装らしい。

そのElloであるが、25日付けのBetabeatの記事によれば、目下1日あたり64万人の急ペースで登録者を増やしており、アクセス数の急増によりサーバー落ちが危惧されるほどだという。

FacebookからElloへ。実名主義を拒否するクィアの人たち

この突如として現れたEllo人気は、どうやらFacebookの頑なな実名主義を受け入れられぬ人々が大量流入した結果らしい。周知のようにFacebookはユーザーアカウントの実名利用を強いており、これに違反した場合アカウント削除といった処分もありうる。

だがそうした方針をとりわけ不服とするのが「クィア(queer)」と総称される、レズビアンやゲイ等の性的少数者の人々。彼らの多くは生後与えられた名とは別に「芸名」のような二つ名を持っており、その名は彼らの活動と切り離せない。にもかかわらず実名による利用しか許容しようとしないFacebookの考え方に対し、彼らの代表者は不満を露わにしている。

例えばアメリカのクィア作家Michelle Teaさんは19日、以下のように記す。

「Facebookは嫌い。私たち、他のどこに行けばいいの?誰かクィアの技術狂が今すぐでも私たちのために見つけてくれないかしら? “Michelle Tea”は私の<本名>じゃない、でも停止処分を受けるような安っぽいものじゃないのよ。それに、Facebookは嫌い」。

また、ドラァグクイーン(女装した男性パフォーマー)として知られたRu Paulさんも25日、The Hollywood Reporterに語った不満をTwitterに再掲している。

「芸能界じゃ、名前を正しくつづられてる限り悪い評判なんてない。でもママからもらった名前を超えて華々しく才能を発揮してるクリエイティブな人たちがいるのに、Facebookがその人たちの権利を奪うってのなら、それはまずいポリシーね」。

そしてやはりクィア作家であるJade Sylvanさんは21日、Facebookの実名主義に対する異議申し立てを、CEOであるザッカーバーグ氏宛てに公開している。

こうして次々と現れたクィアたちの不満に対し、Elloをいわば「避難所」として勧める同志の声が集まり、招待制のみであるにもかかわらず登録者数の爆発的増加を招いたというわけだ。

そういうわけで突如としてアンチFacebook派の期待と注目を集めることになったEllo。SNSとしては上述のように発展途上段階のようだが、今後の展開が楽しみなところである。

Posted: |Updated:

Text by

注目の記事

前の記事を見る

次の記事を見る

Ranking