脳卒中後、突如英語で話し始めた中国人女性

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94歳になる中国人女性が脳卒中から回復した後、少しずつ言葉を口にし始めた。だが母語である中国語ではなく英語で。なぜこのようなことが起きるのだろうか?

脳卒中後、母語の中国語を忘れ英語で会話

その女性とは現在年金生活者であるLiu Jaiyuさん。1年前、脳卒中に倒れ、長沙の病院に運び込まれた。数ヶ月のリハビリ後、少しずつ言葉を口にし始める。数週間前から、それはちゃんとした文となった。介護士は最初、Liuさんが何を言っているのか理解できない。だがすぐに気付いた。彼女が中国語ではなく英語を喋っていることに。

以来Liuさんは見舞い客が中国語で話しかけても英語で答えているという。ちなみにLiuさんは長年英語教師を務めてきたキャリアの持ち主だ。担当医のLi Yanfangさんが推測するところでは、脳卒中の際にLiuさんは言語中枢に被害を受けたが、英語領域は損傷を免れた。それで意思を伝達しようとする際、英語が口に出るようになったのではないか。

脳卒中により言語障害が起こるのは稀なことではない。ドイツ脳卒中補助財団によれば、患者のおよそ3人に1人が言語不随ないし言語障害を患っているという。ただしLiuさんのように母語のほうが損害を受け、外国語が機能するというのは極めて稀な例だとのこと。もちろん今後のリハビリにより、彼女がまた中国語を話すようになる可能性もある。

昏睡患者でも似たような症例が有り

Liuさんと似た症例は、昏睡患者にも見られるという。最近では22歳のオーストラリア人男性が交通事故による昏睡状態から目覚めた後、看護師に官話の中国語で話しかけた。彼の中国語学習歴は学校でのわずかなものであり、最初の3日は母語である英語が全く口に出なかった。

イギリスでは81歳の男性が卒中後の3週間の昏睡の後、ウェールズ語を流暢に話し始めた。ウェールズ語はウェールズ地方で話される少数派語で、男性に学習歴は無かった。また、25歳の別の英国人男性は、6日の昏睡から目覚めた後、フランス語を喋り始めた。彼は学校で9年、この言語を学んだそうである。

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