これって黒人差別?ドイツの一企業ロゴをめぐる論争

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Facebook_Ein Herz für Neger

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『ちびくろサンボ』絶版問題をご存じだろうか? 同名童話の主人公である男の子の名称やイメージが人種差別的なものであるとして、その人気の高さにもかかわらず日本を含む各国で出版停止となった事件だ。

その絶版事件を思い起こさせるような問題がドイツの一都市で数年来、論議の的となっている。ある企業のロゴが黒人差別的であるとして、激しい非難の対象となっているのだ。

黒人を模したロゴが人種差別的と非難

その企業とはドイツ・マインツの屋根専門業社トーマス・ネーガー。名字のネーガー(Neger)がドイツ語で(蔑称的ではあるが)「黒人」を意味することから、黒人を模したロゴを用いている。

見ての通り、厚い唇をした黒人がハンマーを振り上げた姿を模したらしきロゴである。スカートをはいているように見えるが、ネーガー氏によればこれはスカートではなく同社が扱う屋根だとのこと。デザインしたのは氏の祖父で、70年来同社のロゴとして用いているそうだ。

このロゴは人種差別的ではないかと数年来同市で論議の対象であったが、今年2月にマインツ大学のアフリカ研究科学生組織が「(黒人の蔑称である)社主の苗字が、アフリカ人の植民地的イメージと結び付けられていることが問題」と公言したことで、非難がエスカレートすることとなったようだ。

Facebookでも両派の対立は激化

これに対し「人種差別的という非難は全くばかげている」とネーガー氏。祖父より伝統のロゴを放棄はしない考えだ。ただしもし実際に黒人がこのロゴによって傷つけられる思いがすると訴えてきたならば、自分の態度を考え直す必要があるだろう、とも付け加える。

もっともそうした苦情は今のところ無いようで、むしろFacebookでのネーガー氏を支持するグループでも黒人の参加者を見ることができる。しかし他方にはロゴ放棄を訴えるFacebookグループも結成されており、「ロゴは伝統かもしれないが、人種差別を伝統にするな」と非難。紛糾はまだまだ収まらなさそうだ。

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