蜘蛛にカーボン素材を取り込ませ、超強力な“糸”の生成に成功:伊大学

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Flickr_Ed Brownson

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蜘蛛が巣を紡ぐ糸は自然の産物のうち最も耐久力に優れたものの一つだが、これに堅い人工素材を混ぜることでさらに強化することは可能だろうか。

炭素素材スプレーで蜘蛛の糸を強化

これを実験により試みたのはNicola Pugno氏らトレント大学のチーム。現在最も強固な炭素素材であるグラフェンやカーボンナノチューブを混ぜた水を15匹の蜘蛛に噴霧し、どのような巣を作り出すか観察した。

噴霧された蜘蛛のうち4匹はその後すぐに死んでしまったが、残りの11匹は巣を紡ぎあげた。出来上がった巣にはスプレーに混ぜた炭素構成物が取り込まれており、うち一つは最も耐久性のあるとされるマダガスカル島のダーウィンズ・バーク・スパイダーの糸の3,5倍の強度を持つものであった。

炭素素材は体内でミックスか

というわけで実験は順当な成果を挙げることができたが、炭素構成物がどのようにして蜘蛛の巣の材料に取り込まれたかははっきりしなかった。例えば蜘蛛が巣を作る際に糸をそれによって外側からコーティングしていったとも想定しうる。

もっともそれでは糸の強度が増したことの説明としては十分でない。実際は蜘蛛が炭素構成物の粒子を体内に取り込み、巣の糸を作る材料として混ぜ合わせ用いたのだろう、とPugno氏は考える。死去した4匹は、強固な異物の体内混入に耐えられなかったということだ。

強いもの同士をかけ合せさらに強くする、という単純な発想から生まれた実験結果だが、混ぜる材質や方法を工夫することで今後も面白い発見が期待できそうだ。

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