数学の能力が向上すると、脳の他の分野の活動が弱まると判明:英大学研究

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これを学生時代に知っていたら、数学を頑張らなくていい理由にしていたかもしれない。オックスフォード大学の神経科学者であるロイ・コーエン・カドッシュ氏が、「数学の能力が向上すると、脳の他の分野の活動が弱まる。逆もまた然り」との研究結果を神経科学ジャーナルに発表した。

同氏は19人の若い被験者を、電気刺激を数字の処理を行う頭頂葉(PPC)に行うグループと、一般的な学習を司る背外側前頭前皮質(DLPFC)に与えるグループ、さらに疑似刺激のみを与えるグループの3つに分け、それぞれは文字に数字の意味づけをした学習を6日間にわたり、毎日2時間実施、その後2種類のテストを行った。最初は同じサイズの2つの文字を見て、どちらが数字的に大きいのかを回答してもらい、次は並んだ文字のサイズを変え、その大きさと数字的な意味に矛盾を与えた場合を含んだ。

その結果、PPCに刺激を受けたグループは偽の刺激を受けた第3グループに比較して、文字と数字の関連を素早く学習することが判った。だがそれを吸収して自動的に変換する力は劣った。一方でDLPFCに刺激を受けたグループではこの逆の現象が起こっていた。

「これらの結果は、あるひとつの能力を伸ばすためには、脳の他の分野の犠牲を伴うことを表している」とカドッシュ氏は述べている。脳は受けた情報を一定の領域で処理しようとするため、その処理量が一定量を越えた場合は化学的電気的なシステムを行ったり来たりさせることになり、これによる利点はないとされるからだ。薬や電気的刺激により認識能力を高めることにはこのような害や将来的なリスクが考えられるので、慎重になるべきである、とも研究は示唆している。

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