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ファンタを止めるな!「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」注目作品をご紹介

©2018 KIM Ki-duk Film. All Rights Reserved.

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3月7日(木)から3月10日(日)までの期間、「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019」が開催されます。

昨年『カメラを止めるな!』が「ゆうばりファンタランド大賞 (観客賞)」を受賞し、いち早く口コミに火をつけたこともあって、今年のテーマは、なんと「ファンタを止めるな!」。

映画祭の中心であるコンペティション部門の今年の傾向は、オフシアターといようりは即オンシアターでいける作品が並んでいます。

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭

ファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門の審査委員長は、北海道出身で、『日本で一番悪い奴ら』『孤狼の血』『止められるか、俺たちを』など、アウトローを描くのを得意とする白石和彌監督。

そして、短編を対象とした「インターナショナル・ショートフィルム・コンペティション部門」の審査員には、『南極料理人』、『モヒカン故郷に帰る』『モリのいる場所』の沖田修一監督が登場します。

コンペティション部門以外にも、招待作品部門、ゆうばりチョイス部門、フォービデンゾーン部門、コアファンタ部門の他、特別上映企画があり、4日間で長・短編あわせて100本を超える作品を上映予定。

その中から面白そうな3作品をご紹介します。

愛と本能どちらが強いか?「人間、空間、時間、そして人間(仮題)」

©2018 KIM Ki-duk Film. All Rights Reserved.

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注目のオープニング作品は、藤井美奈とチャン・グンソクが主演を務め、キム・キドク監督がメガホンを執る『人間、空間、時間、そして人間(仮題)』。

韓国で無期限の上映禁止になっていることで、話題になりました。

内容は、エグイ描写が含まれているけれど、実は映画を見終わった後の後味は、そんなに悪くないんです。

過去の戦争中、大砲で殺戮を行った元軍艦に乗り旅行する新婚カップル、詭弁だらけの国会議員と息子、売春婦たち、ゴロツキ、館長と乗組員、そして、たくさんの乗客たちと、船内で土を集め、卵を孵す不思議な老人。

特別扱いを受ける議員への反感から、暴力支配がはじまり、レイプ、殺人が起こります。

ところが、船が空に浮かぶという幻想的な事件がきっかけで、残りの食糧を奪い合うサバイバルに展開。

たびたび暴動が起き、常軌を逸し、限界を超えていく登場人物たち。

—「全員が死んだら、俺たちだけなら、もう一週間生きられる」

どんな極限状態にあっても決して失われないのは、生きる本能と、親子の愛でした。

愛と本能、どちらが強いのか、死ぬ、または生きる自分の役目は何なのか、名前のない登場人物たちが自問自答していきます。

同じ船の上の映画『ライフ・オブ・パイ』でも、極限状態で理性を乗り越える様子が描かれていましたが、『ライフ・オブ・パイ』が救出されるまでなのに対し、この映画は…。

どこが終わりなんだろう、と思えるくらいキム・キドク監督がしつこくテーマを手放さないで追い続けます。

そして、最後のシーンで、題名が「〜人間」となっているのにも納得がいくはずです。

激しい争いがあることで、大砲にまたがる女、無機質な軍艦を覆いつくす森が、妙にキレイなシーンでした。

(原題「Human, Space, Time and Human」公開日未定/ 製作:韓国/ 上映時間:122分)

女詐欺師の痛快クライムエンターエイメント!『悪い女はよく稼ぐ』

© 2019 PEEPS All Rights Reserved.

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『夜逃げや本舗』の原隆仁監督、『太陽にほえろ』の長谷直美、そして『ルパン三世』の柏原寛司がタッグを組んだ『悪い女はよく稼ぐ』。

原監督があの『夜逃げや本舗』で見せてくれた、人温かい主人公たちの痛快クライムムービーの新作です。

日本に帰ってきた女詐欺師の忍と、愛人稼業の詐欺師、美和。

2人は偶然、同じ歯科医をカモにしたことから、なんとなく意気投合します。

忍は、偽宗教法人の名義に稼いだ5億を隠すも、経済ヤクザの西に勘づかれ、金を奪われたうえに忍も危うい目に遭います。

次に2人がターゲットにしたのは、余命幾ばくもない資産家。

老人の最後の夢を叶え、恋人だった芸者の孫娘に遺産を残させようとするも、また西が汚い手で老人の金を奪い取ったのです。

—「やられっぱなしは趣味じゃないの」

忍と美和は、しつこいやり手の刑事、浮気調査の探偵、かつての男で元地面師のマスターを巻き込んで、大がかりなコンゲームを仕掛けます。

<男の裏社会で、女がイキがってみる>

女の手の平の上で転がされるのか、男の暴力に翻弄されるのか、最後をキメるのはどっち…?

危なくてヒヤヒヤさせながら、テンポよく飽きさせないで見せてくれるクライムエンターテインメントです。

長谷直美は、ベテラン女優にもかかわらず2011年からロンドンの演劇学校で学ぶなど意欲的。

そして、きめセリフメーカーとして脚本の定評のある柏原寛司は、映画監督としても映画を数々出し続けており、今回は脚本、プロデューサーとして制作協力しています。

こういうセリフ、映画で聞きたかった!という彼の魅力が満載の、裏切らない邦画コメディです。

(2019年6月新宿K’s シネマで公開/ 製作:日本/ 上映時間:89分)

ゾンビ&ミュージカルでノリノリ!『アナと世界の終わり』

©2017 ANNA AND THE APOCALYPSE LTD.

©2017 ANNA AND THE APOCALYPSE LTD.

『アナと世界の終わり』は、アメリカ、スペイン、オランダ、韓国など各国のファンタスティック映画祭で上映され、“『ショーン・オブ・ザ・デッド』と『ラ・ラ・ランド』の出会い!と評された、ホラーコメディー。

つまり音楽に合わせて、いつでもどこでも踊りながら、爽快にゾンビをブン殴ってしまうのです。

ゾンビ好きで『オブ・ザ・デッド』系の新作が待ち遠しいよっていう人と、ミュージカル映画をノリノリで楽しみたい人、是非一緒に見に行ってはいかがでしょうか。

高校生のアナは、幼い頃に母を亡くし父トニーと二人暮らし。

学校ではダサい幼なじみのジョンをはじめ、くだらない連中ばかり。

退屈な田舎の町を抜け出したいアナは、父に内緒でアルバイトをしながらオーストラリア旅行を夢見ています。

いつもと変わらないクリスマスの朝、突然、スノーマンの着ぐるみを着た血だらけの男が現れ、ジョンに襲いかかったのです。

その瞬間、アナはシーソーを使って男を撃退。なんと、男の正体はゾンビだったのです!

突然始まったゾンビのパニックの中「この町でこのまま人生終えるなんてありえない!」と、学芸会の準備のため取り残された学生たちを救出するため学校へと向かい、幼馴染や負け組のクラスメイトたちと力をあわせてゾンビに立ち向かうアナ。

“ゾンビ”と“ミュージカル”の融合という新たなジャンルで楽しめる映画です。

(原題「Anna and the Apocalypse」2019年05月31日公開/ 製作:アメリカ・イギリス / 上映時間:98分)

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『カメラを止めるな!』に続くヒット作が生まれそうな予感のする「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019」。

なお、当映画祭が冬に開催されるのは今回が最後。

来年からは時期を夏に変え、新しい会場でより広い層に向けた新しい映画祭になるとのことです。

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Text by aya_saya

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