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「大好きだよお父さん」父へ送った“最初で最後のラブレター”に心がじんわり温まる

南阿蘇ラブレターアワード2015

南阿蘇ラブレターアワード2015

ラブレターというと愛する恋人や夫・妻へ宛てた手紙をイメージしますが、父親に宛てたラブレターが先日話題となりました。

九州の中心で愛を叫ぶ

話題になったのは、今月4日、熊本・南阿蘇村で開催された「南阿蘇ラブレターアワード2015」での手紙です。

ラブレターアワードは、全国から募集した大切な人へ綴るラブレターを、映画「世界の中心で愛をさけぶ」の行定勲監督らが審査し発表するというもの。

ここで大賞をとったのが、ペンネーム”ざっつ”さん(40代・女性)のラブレターでした。

最初で最後のラブレター

ラブレターは、幼い頃からざっつさんを可愛がってくれた父親へ宛てたもの。 

お父さんへ
我が家に初めてクーラーが届いたのは、私が生まれた時。8月に生まれた私を、暑さから守るために。
雨の日は決まって車で学校まで送ってくれましたね。寒いときは、必ず足元にもヒーター。「全然暖かくない」と言って、上だけに温風が来るようにスイッチをいじってたけど、今になってその優しさが分かりました。

手紙には幼少期のざっつさんを思いやる優しさや、責任感を教えてくれた父の様子が綴られています。 

我儘や、悪いことをした時、どんなに人前だろうと、ガツンと叱ってくれてありがとう。高校進学のとき「私立に行かせてください」ってお願いした私に「分かった。その代り絶対に辞めるな」と。この時初めて「自己責任」を学びました。

そして話題は、社会人になり父の誕生日にプレゼントした靴へと移ります。

誕生日プレゼントにあげたランニングシューズ。「もったいないから」といってやっと1ヶ月後くらいに履いてくれましたね。でもその1ヶ月後、あなたと共に灰になるとは思ってもみなかった。あなたとケンカして口を利かなくり、まさかその1週間後にこの世を去るなんて・・・ICUでかけた言葉ちゃんと聞こえてましたか。

手紙に記される通り、ざっつさんの父親は17年前に他界。天国の父へ送った「最初で最後のラブレター」でした。

生きてるときに言えばよかった。
「頑固で不器用な性格はあなた譲り。困ったものです。でも溢れんばかりの愛情と優しさを無条件で与えてくれて、本当にありがとう。大好きだよお父さん」天国の父へ、最初で最後のラブレター。

事務局によると、この手紙に対し行定監督は以下のようにコメントしています。

「亡き人を偲び、手紙を書くことは大切な喪の仕事だと思う。思い返すからこそ、そのときにはわからなかった相手の気持ちを理解することが出来る。正直な気持ちを露呈する言葉は美しい。人間は生きているうちに気づかないことばかりだ。気づいたときには時すでに遅し…。だから、思い返すことで些細な出来事がかけがえのない大切な思い出にかわる。それは永遠に心の中に残り続ける。それを表現した手紙でした。」

ラブレターの全文はHPで掲載中。大賞のほか、2人の子どもを亡くした妻宛てや、最愛の1人娘に送ったもの等、様々な愛情を記した心温まるラブレターが入選しています。

秋も深まる今日この頃、大切な人にゆっくりと想いを綴ってみるのも良いかもしれません。

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Text by 藤原ちよ

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