シェア

怒るのはなんで?実は相手を威嚇する駆け引きの手段―海外研究

shutterstock

shutterstock

怒りとは、心の中から湧き出てくるもの。そして顔の表情も、自然に表されるものと思いがちだ。しかし今回の研究では、怒りの表情が意図的に作られたものではないか、という内容が報告された。

コンピュータ画像で顔の表情を変容させる

調査を行ったのは、カリフォルニアとオーストラリアの研究チーム。彼らは平均的な人間の顔を画像処理して、怒りの要素を1つずつ動かしていった。

例えば、ほお骨を上げたり、唇を薄くしたり、突き出したり、鼻孔を膨らませたり、あごを反らせたり。

顔だけで肉体的にも強そうに見える

その上で被験者に人に、顔だけを見てもらった。すると怒りの表情とされたものは、肉体的にも強そうに見えるという結果になった。

大切なことは顔の表情だけで、「肉体的」にも強いと判断している、という点だ。

以前の研究でも、人間は顔の表情を見ることで、相手の闘争能力を見極めることが得意とされてきた。そして強いと判断された者は、自分の言い分を通すことができるようになる。

威嚇には交渉の要素が含まれている

そこから研究者は、怒りの表情は単なる心の表れではなく、威嚇するために人工的に作られてきたのでは、という仮説を立てた。

威嚇には交渉が含まれる。逆を言えば、もし相手が肉体的に劣っていれば、怒りの表情を表わすことなく、黙って獲物を奪っていけばいい。つまり怒りを表わす必要などない。

怒りの表情で相手の力を見極める

つくられた怒りの表情は、「この状況が自分には受け入れられない」という意思を相手に伝えていることになる。

そこには交渉がある。そして両者が怒りの表情を見せつけ、やがて互いに自分の力を認識し、暗黙のうちに納得することで、争いは終息していく。

研究者たちは人間が社会的な競争を勝ち抜くためにも、怒りの表情が進化していったのではないかと考えている。

Posted: |Updated:

Text by

前の記事を見る

次の記事を見る

注目の記事

Ranking