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全てのオスが孵化せず!アフリカの蝶に起きた異常事態

Flickr_dany13

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「アフリカの女王」と呼ばれる熱帯性の美しい蝶が、調査において異常事態に見舞われていることが明らかになり、進化に関する新しい仮説が浮上した。

微生物により全てのオスが孵化せず

この調査を行ったのはイギリスのExeter大学などの研究者たち。彼らはケニアのナイロビにある狭い地域において、「アフリカの女王」と呼ばれる蝶(カバマダラ)の生態を観察。

その結果、蝶の母親がスピロプラズマと呼ばれる微生物に感染すると、全てのオスになる卵が孵化せず、逆に生まれてきたメスの姉妹たちによって食べられているのを発見する。

University of Exeter

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メスの染色体も劇的に変化

彼らによればその地域とは2つの亜種が出会う場所とされ、蝶はそこで成長を遂げていくという。

そしてオス殺しを行うメスを調べた結果、その染色体が新しい「W」という染色体を形成するために非性染色体へと劇的な変化を引き起こしていることが発見される。

研究者らはまだ正確な分子のメカニズムを把握していないとしながらも、蝶に起きた異常事態について、亜種だった2つの生物が微生物によって全く異なる種へと移行する際の最初のステップではないか、と考えているそうだ。

Exeter大学のRichard ffrench-Constant教授は報告の中で「私たちは新しい種が環境の変化によって生み出されると考える傾向にありますが、ここでは2つの亜種を異なった種に分ける役割を果たしているのは、明らかに微生物です」と語っている。

「決定的な証拠と思われる」

今回、Royal Society journalにおいて発表されたこの報告は、Ian Gordon博士の率いるチームが13年にわたってナイロビに生息する蝶の性や色パターンをフィールド調査した記録をもとに、ドイツの学者らが染色体の調査を行ったもの。

Lübbek大学のWalther Traut教授は「種が分かれていく方法において、これは決定的な証拠のように思われます。種がどのように進化していくのか、分子レベルで発見できたことは非常にレアなケースと言えます」とコメント。

さらにRichard教授も「オス殺しを行うメスが持つ、微生物への感染しやすさが2つの亜種を完全に異なったものに分けているようです。それゆえ、これらの小さな微生物が魅力的な蝶の性と死に大きな影響を与えているのでしょう」と語っている。

進化プロセスの1つである種分化。それが環境の変化ではなく微生物で引き起こされているとすれば、これは非常に大きな発見と言えるのかもしれない。

Posted: |Updated:

Text by 大航海

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