シェア

パキスタンで「名誉殺人」を行った者を厳格に処罰する法律が作られる

Fotolia

Fotolia

パキスタンの下院において6日、「名誉殺人」を行った人間に対し、しっかりと刑に服させる法律が可決された。

父親などが娘を殺す名誉殺人

名誉殺人とは「一家の名誉を傷つけるような淫らな行為をした」とされる女性(妻や娘)を、その夫や親兄弟など親族の男性が殺害することを指す。

彼らは殺すことによって「家族の恥をぬぐい去り、名誉を回復できる」と考え犯行に及ぶとされているが、決して淫らとは言えない行為によって殺害されている被害者も多い。

過去には親が選んだ男性と結婚するのを拒んだ娘が、自分で好きな相手を選び式を挙げた後、実の父親によって殺害されるという事件が多く起きている。

またひどい場合には娘が親からの見合い話を断り、他の男性と並んで座っていたり、会ったりしているのを見られただけで殺されるケースもあるという。

Fotolia

Fotolia

これは女性の貞操が、家族の名誉にとって重要であるという伝統と密接に関係しているとされているが、同時に自分の娘を従わせられない父親などが、家族や親族、村人から蔑まされるのを防ぐことも要因の1つとされている。

被害者家族の許しがあれば釈放

パキスタンでは昨年、「名誉殺人」によって約1000人の女性が殺害されたにも関わらず、殺した人間はシャリア法(イスラム法)に従い、被害者の家族や親族が許せば罪には問われず、釈放されてきた。

無論、その被害者の家族や親族とは、殺人を行った父親や兄弟の家族でもあるため、これまでほとんどの被告は自由の身になり、罪を免れてきたとされている。

許しで減刑されるのは死刑だけ

そんな法の抜け穴をふさぐため、同時に「名誉殺人」の被害者を増やさないため、10月6日に厳格な刑罰を適用する法律が、パキスタンの下院で可決された。

新しい法律では「名誉殺人」を行った者は終身刑(懲役25年という記事もある)となり、家族の許しがあっても服役しなければならないというもの。

ただし死刑の判決が下された者に限り、家族の許しがあれば終身刑に減刑されるという。

抜け道はまだ残っている

もっともこの法律は、保守的なイスラム主義者たちの怒りを買っているようだ。

彼らは、この法律がシャリア法を破っており、女性により多くの独立性を与える西洋の法律を真似たものだと主張しているという。

一方法律を支援してきた人々は、まだ裁判官に「名誉殺人」の要件を満たしているかどうかを決める権限があるなど、抜け道は残っているとして、殺人を食い止める効果がどの程度あるかは分からないという。

法律の抜け道がしっかり閉じられることで、このような殺人の被害者がいなくなることを願う。

Posted: |Updated:

Text by

前の記事を見る

次の記事を見る

注目の記事

Ranking