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途中から白紙になる絵本「おわりのないえほん」とは?

提供:本田技研工業株式会社

提供:本田技研工業株式会社

本田技研工業(Honda)が、子供が自由に物語の続きを描くことができる「おわりのないえほん」を制作した。

3月末からは、東京都港区の本社ビルにあるショールーム「Hondaウェルカムプラザ青山」や、区内の児童館などで配布を始めるとともに、特設サイトで絵本ビューワーを公開している。

ワークショップの様子(提供:本田技研工業株式会社)

ワークショップの様子(提供:本田技研工業株式会社)

子どもの発想力向上のために

同社は、2019年3月に5~8歳の子どもを持つ親を対象に意識調査を行った。半数以上が「子どもの発想力が現状伸びていない」と回答したという。

68%が「現在の読み聞かせの頻度は不十分」と回答しており、絵本の大切さを分かっていながら、親子で絵本を読む機会を十分つくることができていないという実情が判明した。

そこで、同社は問題解決に向け、子どもが発想力を存分に働かせて楽しめる「おわりのないえほん」を制作。

この絵本は、途中でページが白紙になっており、続きの物語を読み手の子どもが自由に描くことができるようになっている。

提供:本田技研工業株式会社

提供:本田技研工業株式会社

アイデア考案者は小学生

「おわりのないえほん」のストーリーのもととなっているアイディアは、小学生を対象に同社が毎年開催している「子どもアイディアコンテスト」の、2018年最優秀賞に選ばれた2人の小学生から生まれたものだ。

このコンテストでは、集まった6,409作品から選ばれた28組の子どもたちが自分の作品をプレゼンし、最終的に小学1年生・南友乃さんの「みんながにこにこあったかーい『ひまわりのおうち』」と、小学4年生・柏木晴太さんの「電気をためる『ライチョウ』」が最優秀賞に選ばれた。

提供:本田技研工業株式会社

提供:本田技研工業株式会社

提供:本田技研工業株式会社

提供:本田技研工業株式会社

2人がそれぞれ考案したアイディアをもとに、イラストレーターのSANDER STUDIO(サンダースタジオ)がイラストを手掛け、「おわりのないえほん」が完成した。

絵本には子どもにとって大切な「夢」が描かれているが、途中から白紙となっているため、自分自身の夢を自由な発想で描くことができる仕掛けになっている。

「ひまわりのおうち」

南友乃さんのアイデアをもとにした作品は、「ひまわりのおうち」。

太陽の向きに合わせて動き、太陽の光を電気エネルギーに変え、集めた雨で水をつくるなど、「ひまわりに住めたらこんなことができるだろう」という発想が描かれている。

読み手にどんなアイデアがあったら楽しいかと問いかけ、白紙のページが続く。

「でんきをためるライチョウ」

柏木晴太さんのアイデアをもとにした作品は、「でんきをためるライチョウ」。

ライチョウのロボットが、雷のエネルギーを卵に貯めて困っている人たちに配布し、受け取った人々は家の灯りや電気自動車などに活用する。

他にどんなアイデアがあったら困っている人や動物を救えるかとの問いで、白紙のページが続いている。

「夢」を原動力にした会社だからこそ

同社の広報部に詳しい話を聞いた。

―自動車メーカーがなぜ子ども向け事業(アイデアコンテストや今回の絵本制作)を展開しはじめたのか、その理由や経緯について教えてください。

企業スローガン「The Power of Dreams」にございますように、Hondaは「夢」を原動力に歩んできた会社だからです。

Hondaでは 創業者本田宗一郎の思いとして「世にないものをつくり、人々を喜ばせたい。」という想いがあり、夢をもつこと、挑戦することの楽しさや素晴らしさ、モノづくりのおもしろさを大切にしています。

 このおもしろさを、これからを担う次世代の子ども達に実感してもらいたい、成長の一助になれれば という想いから、2002年より「子どもアイディアコンテスト」の活動を始め、現在も続いております。

 「おわりのない絵本」に関しましては、子どもアイディアコンテストだけでなく、もっとより多くの子ども達に夢やアイディアを描くことのおもしろさや素晴らしさを知っていただきたいという想いから、夢やアイディアを育むために効果的な絵本を使って企画をさせていただいた次第です。

―「おわりのないえほん」の反響は?

実際に手に取って、絵本の続きを親子で描いていただいたお客様からは、以下のような声を頂いております。

「アイデアや想像力を膨らませることはとても難しいですが、子どもが楽しそうに物語をつくっていて、絵本の魅力を知りました」

「改めて発想力の大切さを知ることができ、子どもと対話する良い機会になりました」

「絵本の魅力や子供の新たな一面を知ることができ私自身が勉強になりましたし、娘も楽しかったと喜んでおりました。アイデアや想像力を膨らませることって、簡単なようで難しいですね。おわりのないえほん”のようなきっかけがあると取り組みやすいです。」

日常生活の中で、親子で一緒になって、お子様の創造力を育む時間はなかなか作ることは難しいですが、この絵本をきっかけとして、親も知らなかったお子様の新たな一面(=創造力を発揮して楽しく物語を描くこと)を知ることができた という声が多かった印象です。

提供:本田技研工業株式会社

提供:本田技研工業株式会社

―配布場所の拡大予定はありますか?

現時点では、拡大の予定はございません。

現在、ホームページ上で配布場所を告知しておりますが、配布数に限りがございますため、特設サイト上に公開されている絵本ビューワーを紹介させていただき、お客様にてお好きな紙を使って絵本の続きのアイデアをご発想頂く旨の案内をしております。

いろんな夢を描こう

―今後の展開は?

現時点では未定でございますが、おわりのない絵本を用い、より多くのお子様に創造力を育む機会を作ることができないかを検討しております。

―このプロジェクトを通して一番伝えたいこととは?

子どもにとって大切なもの、そのひとつに「夢」があるということです。

「こんなモノあったらいいな」

「こんな未来になったらいいな」

いろんな夢を描いて、アイデアを発想する子どもたちが増えれば、世界はもっともっと良くなっていくはず、「夢」を大切にするHondaはそう信じており、これからも子どもたちの夢を応援する活動を続けて参ります。

子どもの発想力には、未来を変える力がある。

この絵本にたくさんの子どもたちが夢の詰まったアイデアを描くことにより、彼らの夢も広がっていくことだろう。

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Text by Ericolatte

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