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【ごみゼロの日】川崎市は、なぜ政令指定都市でいちばんゴミを少なくできたのか

資料写真=2016年、川崎市で撮影

資料写真=2016年、川崎市で撮影

5月30日は、語呂合わせで「ごみゼロの日」だ。

3月に発表された環境省の統計で、神奈川県川崎市が全国20の政令指定都市のうち、1人1日あたりのごみ排出量が最も少ないことが分かった。

一時は「ごみ非常事態」を宣言するほどの状況だった川崎市を変えたのは、意識改革や最先端技術の導入など多岐に渡る努力の積み重ねだった。

川崎市中心部 出典元:フリー川崎写真集5000

川崎市中心部 出典元:フリー川崎写真集5000

1990年に「ごみ非常事態」

環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成29年度)について」によると、2017年度の国内ごみ総排出量は4,389万トン。これは東京ドーム約115杯分に相当するという。

1人1日あたりに換算すると920グラム。2016年度と比較すると0.6%減少しているものの、日本のごみ排出量は世界の中で見ても多いほうとされている。

現在は第1位を誇る川崎市だが、1980年代に人工増加や好景気の影響により、ごみの焼却能力の超過と埋立地不足などの問題に直面。1990年に「ごみ非常事態宣言」を出すほど深刻な状況に陥った。

宣言を受けての様々な取り組みにより、2005年度に1人1日あたりのごみ排出量は1,114グラム(政令指定都市第4位)だったものが、2017年度には約280グラム減の834グラムになったという。

出典元:川崎市プレスリリース

出典元:川崎市プレスリリース

川崎市が導入してきた取り組みとは、どのようなものだったのだろうか。

日本初の取り組み事例

家庭のトイレや仮設トイレからし尿を収集するバキュームカーを1951年にいち早く導入したのは、実は川崎市だった。

市によると、清掃事業の近代化が必要と考えて同市はこの技術を広く公開し、国内の普及に努めたという。

1995年には、ごみの鉄道輸送を日本で初めて実施した。

川崎市の市域は東京都と横浜市に挟まれて南北に細長い。多摩区や宮前区など北部地域での急激な人口増加を受け、南部にできた新しいごみ処理場へ大量のごみを輸送する必要が生じた。

これを受けて交通渋滞の影響を受けず、環境に優しいとされる鉄道によるごみの輸送を検討。密閉型の特別なコンテナを開発し、「クリーンかわさき号」による貨物線を活用したごみ輸送が実現した。

出典元:川崎市プレスリリース

出典元:川崎市プレスリリース

最近では、2019年に廃棄物発電を利用したEVごみ収集車が国内で初めて導入した。

ごみの焼却で発生した電気を焼却場内の電池ステーションで充電し、それをEVごみ収集車に搭載してごみ収集を行うというシステムだ。

「エネルギー循環型ごみ収集システム」と呼ばれるこの取り組みは、災害時の非常用電源としても今後活用が期待されているという。

次世代の育成にも注力

ハード面に限らず、ソフト面でも改善を続けてきた。

資源物の分別収集や普通ごみ収集回数を変更をはじめ、住民への廃棄物減量指導員の委嘱、事業者などと連携した啓発の取り組みを行うことで、 ごみ排出量を着実に減少させてきた。

1997年には通商産業省から日本初の「エコタウン地域」に認定。企業のエコ化、エコに関する研究の促進、市のノウハウを他の自治体にも伝えていくことなどの取り組みを盛り込んだ「まちづくり基本構想」を掲げている。

出典元:川崎市プレスリリース

出典元:川崎市プレスリリース

小学校の社会科授業でごみの収集・処理、リサイクルなどについて学ぶ機会を設けるなど、環境教育にも力を入れる。

このほか、資源物の分別収集や普通ごみ収集回数を変更や3Rの推進、廃棄物減量指導員の委嘱、事業者などと連携した意識啓発などを行うことで、今後もごみ排出量を着実に減少させていくつもりだ。

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Text by Ericolatte

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