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「姿形だけでなく習性も盛り込みたい」指にしがみつく動物リングのこだわりが凄い

Count Blue

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指に乗せられるほど小さいのにもかかわらず、リアルで精巧な動物フィギュアのリング。

動物たちが必死で指へしがみついてるように見えるデザインが、可愛すぎて心を鷲掴みされると話題を呼んでいる。

鳴き声が今にも聞こえてくる?!

この作品を制作したのは、動物フィギュア作家・Count Blueの三浦 二郎さん(@torigoyajirou)。

なかよく並ぶオカメインコたちのリングは、今にも鳥たちの鳴き声が聞こえてきそうなほどリアルで可愛い姿に思わず顔がほころんでしまう。

今回は彼に、動物フィギュア作品を作り始めたキッカケから、色粘土で作品を制作する上でこだわっている部分やインスピレーションに関してなどを伺った。

キッカケは友達に教えてもらった“FIMO”

――動物フィギュア作品を作り始めたキッカケは?

現在、使用している“FIMO”というオーブンで焼成すると硬化するカラー粘土を、友達に教えてもらったのが最初のキッカケではあります。

初めて作った作品は、蛇のような虫のような…謎の手足の無い肌色の生物だったと記憶しています。

動物の姿形だけでなく習性も

――制作する動物の選定や構図などの着想やインスピレーションは?

今となってはお客様から依頼された動物を制作することが多いので、自分が作りたい動物を作っているわけではありません。

個性を切り取る着眼点については、昔から生き物にしか興味が無く、実際に飼育したり動物関係の本やテレビばかり見て育ってきたので、自然と身についているのかもしれません。

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構図に関しては、動物の姿形だけでなく習性等も盛り込みたいと考えております。

例えば、コザクラインコ(写真下)は英語で“Love bird”といい、夫婦仲がよいのが特徴なのでいちゃついてる姿を指輪にしました。

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ちなみに、小鳥が2羽乗ったデザインの指輪は、婚約指輪としても需要があります。

こちらの文鳥指輪(写真下)はケースもデコって欲しいというご希望をいただいて、ハートヘデラ(キヅタ属の常緑多年草)風の蔦を絡ませました。

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2羽が仲良くしている姿に何か物語性を感じていただけると嬉しいです。

動物の表現したい部分をデザインに

――指輪にしやすかった動物と難しかった動物を教えてください。また、指輪らしく見えるように工夫した部分は?

動物ごとに表現したいポイントが異なり、それぞれ違う難しさがあります。

特に苦戦して個人的に思い入れのあるデザインは、オオツノヒツジとオグロヌーです。

細長い前脚をリング部分にどう組み込むかがポイントで、オオツノヒツジ(写真下)では足先を顎の下で揃えて肘で指をロックするようにしました。

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オグロヌー(写真下)に至っては顎髭(あごひげ)も盛り込む必要があったため、さらに奇妙なデザインとなりましたが、どちらも他には無いデザインで気に入っております。

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本来の姿を活かしたこれらとは対照的に、部分的に指輪らしくデフォルメしたベニコンゴウインコ(写真下)も気に入っております。

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実際には尾羽を枝に巻きつけたりはしないのですが、指先に止まっているような雰囲気を出すためにこのような形にしてみました。

指輪という枠に収める上で、動物のどの部分を表現したいか、そのためにどういうデザインがよいかを考えるのが難しくもあり、楽しくもあります。

常に手に埃が付かないように

――色粘土で作品を制作する上で、特にこだわっている部分は?また、気を使っていることや難しい点を教えてください。

色粘土造形は形と色や模様を同時に組み立てながら作っていくため、手順や構想に独特の難しさがあります。

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こちらのガボンアダー指輪(写真上)やインドホシガメ(写真下)のように模様が複雑な生き物の場合は特に大変なのですが、それだけにやりがいがあります。

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シマリス(写真下)の尻尾等も粘土で表現するのは難しいのですが、色の配置で本物に近い見え方になるよう工夫しております。

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気を使うのは埃が混ざらないようにすることですね。作業時は常に手に埃が付かないよう注意しながら作業しております。

それでも埃が入った場合は、先細のピンセットでチマチマ抜き取ります。

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先に触っていた粘土の色が次に触る粘土に移ったりもすることもあるので、(粘土を)触る色が変わる度に手を洗ったりもします。そのせいで、めっちゃ手荒れします。

ひたすら資料を集めよく見ること

――リアルに見えるために工夫されていることを教えてください。

リアルに表現するために必要なことは、ひたすら資料を集め、それらをよく見ることに尽きます。

しかし、現物をその通りに作るだけでなく、制作者自身の主観もある程度は込めることも大切です。

色粘土という素材でそれをどう表現するのか、現時点の自分の技術で表現するにはどうしたらよいかという制約もあります。

その中でどれだけやれるのか、どこまでやるのかの線引きが難しいところではあります。

強いていうならヒョウアザラシ

――最近、お気に入りの動物や制作していて楽しい動物は?

お気に入りというか好きな動物はそれこそ数え切れないほどいて、どれがと(ひとつを)あげるのは難しいのですが、強いていうならば昔から好きなのはヒョウアザラシですね。

B.navez - Kerguelen - 1999/Wikimedia Commons

B.navez – Kerguelen – 1999/Wikimedia Commons

全長3メートルという中途半端な巨大さ、ブルーグレイの体色とだんだらした模様、ぬるっとした流線型の美しいフォルム、長い首、くりっと大きな黒い目、蛇のように避けた口に並ぶ三叉状の鋭い奥歯、どれをとっても最高です。

まだ作ったことは無いのですが、自分用にヒョウアザラシ指輪とか作りたいですね。

作っていて楽しいのはハダカデバネズミ(写真下)ですね。しわしわの皮膚の質感を表現する作業が楽しいです。

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ハダカデバネズミは哺乳類としては珍しく、ハチやアリなどと同じく真社会性動物として知られ、群の中で女王や食料調達係、巣の防衛係等の役割があります。

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何体も作らないといけませんが、そういう群社会をいつか作品で表現してみたいです。

現在はツギオミカドヤモリを制作中

――今後の活動に関して教えてください。

現在、多くのご注文を抱えており、お客様には何年も前からお待ちいただいております。

皆様に少しでも早く作品をお届けしなくてはならない状況なので、展示会等の予定はありません。

しかし、来年あたりからスケジュールを調整して「展示会やイベント参加等もできるようになればよいな」とは考えております。

現在制作中の作品は、ツギオミカドヤモリというニューカレドニア産のヤモリの一種です。

お客様からのご依頼品ですが、細かい鱗をひとつひとつ彫りこんでいく作業に時間がかかってしまい、なかなか終わりません。

これが終わったら、メーカー様からの商品の原型の仕事をして、その後はまた個人のお客様のご注文品に着手します。

その合間に来年の年賀状用の作品も作らねばならないので、一向に休まりません。

動物たちの息遣いが聞こえてくる

動物たちの息遣いが聞こえてくるようなリアルさと愛くるしさが共存しているフィギュア作品の数々。

三浦さんの鋭い観察眼と緻密な作業が、ひとつひとつの作品に動物たちの習性と個性が生かされたストーリーを感じさせる作品を生み出しているのだろう。

彼の作品は基本的に注文を受けてから制作しているそうなので、購入希望の方はホームページの注文ページに掲載しているメールアドレスへお問い合わせくださいとのこと。

気になる価格帯だが、大体の目安として小さくシンプルなものならば2千円から3千円。大きなものでは10万円を超えるものあるそう。

「金額もお客様のご希望を聞いた上でお答えいたします」とのこと。

また、三浦さんが原型を制作した商品(一点ものの手作り作品ではありません)は、全国の雑貨屋さん等で購入できるという。こちらのホームページでも紹介しているそう。

彼の作品が気になる方は、ぜひSNSのアカウントをフォローしてみてはいかがだろうか。

Twitter:@torigoyajirou
Instagram:@torigoyajirou

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