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ボトルの中に広がる世界!物語の鮮やかな瞬間を閉じ込めた“立体切り絵”作品が幻想的で美しい

kamiya hasse

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ボトルの中に立体的に広がっている繊細な切り絵作品が、幻想的で美しいと話題を呼んでいる。

胸を打つような人魚姫の悲しみ

この作品を制作しているのは、切り絵作家のカミヤ・ハセさん(@kamiyahasse1)。

デンマークの作家・アンデルセンの『人魚姫』をモチーフとした幻想的な“涙”という作品。

泣きながら海の中へと沈んでいく人魚姫の深い悲しみが胸を打つ。

この作品世界とぴったりとマッチした美しいボトルは、元・フランス王室御用達の“シャトー・ド・ロムラード(プロヴァンス地方)”で作られた“Cuvee Marie Christine Provence Rose(キュヴェ・マリー・クリスティーヌ プロヴァンス ロゼ)”とのこと。

今回は彼女に、切り絵ボトルアート作品を制作し始めたキッカケ、そして制作する際に工夫している部分やモチーフの選定などに関して伺った。

瓶の底に直径4センチの穴?!

――切り絵ボトルアート作品を制作し始めたキッカケは?

キッカケというほどでもないのですが、メキシコ土産に貰ったテキーラボンボンの空き瓶を捨てるのが忍びなくて…。

その瓶はぱっと見ただけでは“普通のテキーラ(の瓶)”なのですが、実は瓶の底に直径4センチの穴が開けられていて、そこからボンボンを取り出す仕組みになっていたのです。

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「何かに有効活用できないか」と考えているうちに、「瓶の中で蝶が飛び回っていたら、面白いだろう」と思い、この作品を作りました。

そのような訳で、初期の2作品は瓶の底に穴が開いています。

しかし、ガラス瓶の底に穴を開けるのはあまりにも大変で…。それで瓶の口の方から、切り絵を小さく折り畳んで入れるようになりました。

チャレンジ精神が湧いてきて

――切り絵を制作する際に、下絵などで気を使う部分はありますか?

下絵は平面の切り絵と、何ら変わりません。

ただ瓶の口が狭いので、小さく畳んで押し込んだり中で引っ張って開いたりするうちに、細い線がちぎれてしまうことがあります。

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そこで始めは、ある程度太い線で切っていました。

でも次第にチャレンジ精神が湧いてきて、今はお構いなく細い線も切っています。

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シャープな切れ味を保つこと

――細かい部分を作業する際に、気をつけていることやコツを教えてください。

コツといっても、特にはないのですが…。

替刃をケチるとすぐ線がちぎれてしまいます。そこで、こまめに刃を取り替えて、常にナイフのシャープな切れ味を保つことでしょうか。

ちなみに、切り絵作家には“ナイフ派”と“ハサミ派”がいるのですが、私は“ナイフ派”ですね。NTカッターの“デザインナイフ D-400P”を使っています。

それから、紙には繊維の方向があり、繊維に逆らうと強度が低くなるので気をつけています。

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デザインに込められた思いや物語を

――作品のアイデアやモチーフは、どのようなことを意識して選定していますか?

モチーフは瓶から発想することもあり、テーマに合わせて瓶を選ぶこともあります。

どのお酒でも必ず生産者の思いがあり、物語があります。

名前やラベルのデザインに“それ”が込められているので、できるかぎり調べます。

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しかし、どんなに調べてもわからないことも多いですね。

3つの方向性で立体的な表現を

――立体的な空間をボトルの中に作り上げるために、工夫されている部分は?

立体的な表現にするために、今のところ3つの方向性で作っています。

1つめは、小作品“バラと蝶”、“Departure”など、飛び出す絵本の要領で、瓶の中で開いたときに立体的な構造物が立ち上がるもの。

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2つめは、“Alice in a bottleⅡ”、“Summer snow”などの平面の切り絵を、瓶の内壁を利用して立体的に配置するもの。

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3つめは、“猫のフーガ”、“ワルツィングキャット”などの上記2つ(立体的な構造物が立ち上がって、平面の切り絵を立体的に配置するもの)の組み合わせとなっています。

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切り絵ボトルアートならではの効果が

――今まで制作された作品の中で、特に気に入っている作品は?

まだ試行錯誤中で、会心の作というのはできていないのですが…。切り絵を瓶に入れるという方法ならではの効果が、作品の内容とよく合っていると思うものは2つあります。

1つめは“猫町”。角度によって中の絵がぐんにゃりと歪んで見えます。

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ガラス瓶の歪みがもたらす効果だと思いますが、萩原朔太郎の世界観と合っていて、なかなか他の方法では出ない雰囲気だと思います。

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2つめは“Alice in a bottleⅡ”。アリスがトランプに襲われる直前、トランプがいっせいに舞い上がった瞬間の作品です。

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瓶の内壁を利用することで、本来自立しないトランプを空中に固定でき、時間が止まったような効果が出ました。

来年からはネットで販売も

――作品は購入することはできますか?

今のところ、年に4回ほど展示会に出品しており、基本的にはそこで購入できます。

来年からは、ネットでも販売できるようにホームページを整える予定です。ホームページは2017年1月1日より引越しして、現在のURLから新しいURLへと移行します。

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それから作品の価格帯ですが、ミニチュアボトルサイズの小作品で2,000円~3,500円位。

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ワインのハーフボトルサイズ以上だと8,500円~3万5,000円位。その中間のサイズは4,000円~8,000円位となっています。

また、季節作品(クリスマス・お正月・ひなまつりなど)もあります。

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オーダーは3,000円より承ります。お手持ちのボトルでも可ですが、ボトルの大きさ・形・色によって難易度が大きく違いますので、事前に詳しく相談させていただいております。

贈り物や一緒にお酒を飲んだ記念として、“オーダーボトルアート”も面白いと思いますよ。

幻想的な詩や小説が似合う

――今後、作成してみたいテーマは?

これから作成してみたいテーマは、夏目漱石の『夢十夜』、泉鏡花の『草迷宮』、小泉八雲の『耳なし芳一』など(の文学作品)ですね。

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また、海外のファンタジー文学作品も…。このボトルアートには、幻想的な詩や小説が合うような気がします。

それから、作品解説ブログを書いているのですが、作品の写真と文章を組み合わせた表現スタイルが、他にない独自のものかと思われますので、何か展示に生かせないかと思案中です。

鮮やかな瞬間をボトルの中に

幻想的な物語の鮮やかな瞬間をボトルの中に閉じ込め、“切り絵ボトルアート”の新しい表現を追求し続けるカミヤさん。

彼女の展示会の予定だが、11月25日から30日まで神楽坂セッションハウス・ガーデン(東京都新宿区)にて“ノエル展”を開催。会期中には、ワークショップも予定しているという。

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また、12月2日から17日までGallery USHIN(埼玉県川越市)にて“クラフト展”が開催される。

それから、来年の春頃(3月から4月頃)、“八百万之紙展(仮)”(台東区上野)の開催を予定しているとのこと。詳細は決まり次第、こちらの“展示会のご案内”に掲載してくれるそう。

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カミヤさんの作品が気になっている方は、ぜひTwitterのアカウントをフォローしてみてはいかがだろうか。

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