犯罪者の脳内スキャン画像を見るだけで再犯の可能性を予測できるという、最新の研究成果が示された。
Mind Resarch NetworkのKent Kiehl氏率いる研究チームは、釈放前の囚人男性96人を対象に、素早い意思決定を行わせたり、衝動的行動を抑制するといった実験を伴いながら、囚人たちの脳内スキャンを行った。
研究者たちは機能的時期共鳴画像法(fMRI)という方法を用いて、運動制御や実行機能を司る前帯状皮質(ACC)の活動レベルについて分析した。釈放後4年間、元囚人たちの行動を追跡したところ、ACC活動レベルが半分以下であった者の再犯率は2.6倍高く、知能犯罪だけで見ると再犯率は4.3倍も高いことが判明したそう。
この技術を実用化するまでには更なる研究が必要であるそうだが、脳内分析が囚人の釈放期を決定する一要因となり、再犯率の低い社会に貢献することを期待したい。
同研究結果は学術誌「Proceeding of the National Academy of Sciences1」に掲載されている。