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猛暑の中で働く肉体労働者たちを癒す「善意のクーラーボックス」が全米に広がる

Facebook@Velvet Poveromo

Facebook@Velvet Poveromo

世界的に猛暑に見舞われている今夏。熱中症に関するニュースは日本に限らず、世界中を駆け巡っている。

水分補給や保冷対策はもちろんのこと、一番いいのは危険な暑さの中に長時間身を置かないことだが、仕事の性質上、屋外で汗をかきながら働かなければならない職種もある。

彼らを心身ともに癒し続ける「チャーリーのクーラーボックス」が、米国で多くの人の賛同を得ている。

玄関先に置かれた善意の箱

米ニュージャージー州に住むCharlie Poveromoさんの夏の習慣は、酷暑が続くある夏の出来事から始まった。

自宅前で汗だくになり、ひどく青白い顔でゴミ収集をする作業員たちを見かけた。

Charlieさんはすぐに台所へ向かい冷たい水の入ったジャーとたくさんのプラスチックのコップを抱えて戻ると、脱水症状を起こしかけていた彼らにたっぷりと飲ませて木陰で休むようにと玄関先へ招き入れた。

彼らのような地域の労働者たちが暑さの中でしっかり体調管理ができているのか、Charlieさんはとても心配になった。

一晩中考えた末、翌朝、玄関先の歩道に氷でよく冷やした水のペットボトルを詰め込んだクーラーボックスを設置。いつも通りやってきた清掃員たちへ、夏の間いつでも自由に水分補給して木陰で涼を取るように伝えたのだ。

この善意の箱、「チャーリーのクーラーボックス」のうわさは次第に地域で広まり、警察官、消防員、郵便配達員、そして道路工事作業員など町のさまざまな労働者も移動中に立ち寄るように。

Poveromo家の木陰で冷たい水を片手に、清涼の一服後リフレッシュして仕事の現場へ戻っていった。

しかし、その愛と善意があふれた習慣が9回目のシーズンを迎える前に、Charlieさんは心臓発作で突然帰らぬ人となってしまった。

夫の意思を継いだ9年目の夏

Charlieさんが天国へ旅立って3カ月余り。また暑い夏がやってきた。

妻のVelvetさんは、慈悲深かった彼のクーラーボックスを想い、そのすばらしい意思を継がなくてはと考えた。

そして、6月半ばに「チャーリーのクーラーボックス」は例年のように、Poveromo家の玄関先へ置かれた。こんなメッセージを添えられて。

ご存じない方へお知らせします。

夫のCharlieは、3月10日に57歳で突然この世を去りました。

彼の意思をできる限りここに続けていきます。

そして自身のFacebookに、Charlieさんの8年に渡る彼の尊い習慣と人間性を記したストーリーを投稿した。

広まる善意の輪

すると、投稿は地域、そして州を越えてシェアされていった。

Charlieさんの善意に共感した人々は、地域の労働者に向けて同じようにドリンクを冷やしたクーラーボックスを自宅前に置き#CharliesCoolerという運動となって広まり始めたのだ。

見知らぬ方たちからの支援で、ボトルウォーターがたくさん届きます。

そして先日の朝には、クーラーボックスのきっかけになった作業員のみなさんが畏敬訪問され、チャーリーへの感謝の意を届けに来てくれました。

夫は称賛のために続けてきたのでは決してありませんが、これほどまでにみなさんの感謝に値していたと実感し感激でした。

できる限り、私がこの習慣を引き継いでいきたいと改めて強く思います。

Velvetさんは夫の死後、亡きCharlieさんに寄せられた多くの感謝と敬愛の念に励まされ、あらためて伴侶のすばらしさを実感したという。

善意のクーラーボックスは、きょうも地域を支える労働者たちを癒し続けている。

Posted: |Updated:

Text by inomeiko

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