ハリケーン「フローレンス」によるアメリカ中東部の被害が世界的に報道されたことは、まだ記憶に新しい。
9月14日に上陸したノースカロライナ州にとその周辺地域では3日間で1000ミリを超える豪雨が発生し、多くの犠牲者や被災者が出た。
テレビニュースで連呼される自分の名前
凶暴なハリケーンが勢力を保ったまま北上へ進路を取る様子を、テレビニュースは終始報道し続けていた。
シカゴに住む5歳の少女は、テレビから絶え間なく聞こえる「フローレンス」に不可思議な心境でいた。
「どうして私の名前をずっと呼んでいるんだろう?」
そう、彼女の名はFlorence Wisniewski。
自分と同じ名前がどうしてつけられたのか到底理解できない幼い娘に、母親のTriciaさんは何が起こっているのかを、そして、そのハリケーンによってどんな被害をたくさんの人が受けているのかを教えってやった。
自分と同じ名前のハリケーンで多くの人が困っていると知るや否や、Florenceちゃんは救援活動をTriciaさんと一緒に思いつく。
フローレンスといっても悪い知らせばかりじゃないわ!
我が家のフローレンスは被災者の救援物資を集めています。
保存食や燃料、オムツに水、その他を必要としています。
収集に賛同してくださる方は我が家の玄関までぜひ!
投稿が拡散して支援の輪が広がる
Tticiaさんは、Florenceちゃんの顔をハリケーン進路に重ねたこの画像に物資収集の呼びかけをする投稿をした。
翌日には、これをポスターにしてFlorenceちゃんの学校にも貼ってもらい、地域への救済に賛同してもらえるよう活動を始めた。
すると、街を越え、州を越え、Wisniewski家に大変な数と量の荷物が配達され始めたのだ。
Facebookの投稿は拡散、全国ネットのニュースなどでも小さなFlorenceによる慈善活動が報道され、アメリカ国内に支援の輪が広まっていった。
「正しいことをしただけ」と5歳の少女は、今ではハリケーンフローレンスが何者で何をして誰が困っているか、そして自分自身が家族と立ち上がっている意味も十分に理解している。
この大惨事を見て、誰もが何かできることはないかと思っているんです。
でも、行動に移すのに何かがその背中を押すことが必要なことが往々にしてあるんですよ。
我が家のFlorenceがそのきっかけになればと思いました。
フローレンスによってもたらされた被害は、フローレンスによって救済された。
5歳の少女が起こした慈愛に満ちた行動は被災者だけではなく、道徳心に導かれるままに行動する勇気を社会へ喚起したすばらしい出来事だ。
まだまだハリケーンの爪痕が深く残る被災地への物資を援助するFlorenceちゃん家族の活動は続けられ、寄付も後を絶たないようだ。
一日も早く被災者の生活が戻ることを心から願いたい。