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【フロリダ銃乱射】事件現場はAIDSで亡くなった弟を偲ぶためにつくられたナイトクラブだった

Pulse Orlando/Facebook

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12日に発生した、フロリダ州オーランドのLGBTQが集うナイトクラブでの銃乱射事件。死亡者数50人という、アメリカ史上最悪の銃乱射事件となってしまった。

日本のメディアではゲイクラブと表現されている事件現場の「Pulse」だが、地域のLGBTコミュニティにとって礎となる場所だったようだ。

AIDSで亡くなった弟を偲んで

オーナーの一人であるBarbara Pomaさんは、ナイトクラブであり、毎月LGBT関連の教育イベントを行う場所であるPulseを2004年にオープンした。

LGBTQコミュニティの愛と受容の場所をPomaさんが作ったのは、家族や友人にゲイであるとカミングアウトし、のちにAIDSで亡くなった弟への思いがあった。

厳格なイタリア系一家だった

Pomaさんの一家は、厳格で伝統を重んじるイタリア系の一家だった。しかし弟のジョンさんが家族や友人にカミングアウトすると、一家は受容と愛情にあふれた家族に変わったのだという。

Pomaさんは亡き弟が誇れるような雰囲気を作りたかったのだという。Pulse(鼓動)という店名には、ジョンさんの鼓動が聞こえるような場所という意味が込められている。

「みんなpulseから出て走り続けて」

ジョンさんの鼓動が息づく店内で起きた銃乱射事件。その最中、Pulseはフェイスブックにこんな投稿をしている。

▼「みんなpulseから出て走り続けて」

Pulse Orlando/Facebook

Pulse Orlando/Facebook

この投稿には、事件当時その場にいたという人から、こんな返信がついている。

「犯人が発砲したとき、ダンスフロアやバーにいた人は床に伏せた。バーの近くにいた私や何人かは、裏口から外に出てただひたすら走ったよ。安全に家に着いて、みんなも安全に家に帰れるように祈っているよ」

また、コメント欄に投稿されているイスラム教徒への中傷的な声についてPulseは、「バカがすでにイスラム教徒のアメリカ人全てを誹謗し始めているようだね」と辛らつなコメントを寄せている。

「自由になる場所だった」

Pulseを良く知る人は、店についてこう説明している。「ここは自由になる場所だった。ただ自由にね」

Pulseで何度もパフォーマンスをしているというGia Gunnさんは、「Pulseは人々がやってきて、自分自身になれるような、安全な環境を作っていた」とコメントしている。

オーランドの老舗LGBTQクラブの「Parliament House」のマネジャーであるDan Schwabさんは、「単なるナイトクラブじゃなかった。そこは足を運んで、コミュニティの助けを、必要な援助を受ける場所だった」と説明している。

オマル・マティーン容疑者が、こういった事情を知っていたのかどうかはわからないが、詳細を知れば知るほど、やるせなさが募る事件であるのは間違いない。

Posted: |Updated:

Text by JPN Manatee

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