シェア

【北海道地震3カ月】売上が激減した「はこだてわいん」を支える熱意とは

Hakodate1

2018年9月6日未明に発生した北海道胆振東部地震。最大震度7を記録したことだけではなく、大規模な土砂災害や北海道全域にわたる停電が全国に衝撃を与えた。

あれから3カ月が経過した。新酒ワインの仕込みが終了した北海道七飯(ななえ)町の「はこだてわいん」の佐藤恭介取締役に、地震の影響や現在について伺った。

道外からの「買って応援」

同社のある七飯町は、震度4を記録。設備などの破損はなかったが、停電の影響で1日ほど営業を休止した。幸いにも冷蔵設備や品質管理に問題は起こらず、9月下旬から11月上旬までの仕込みの季節も無事に乗り越えた。

しかし、例年通りとはならなかったのが売上だ。

地震発生直後、函館への観光客は大幅に減少しました。函館山ロープウェイ乗り場など函館市内観光地の土産物店や赤レンガ倉庫街にある直営店など、観光客が訪れる場所での販売は、観光と連動して大きな影響がありました。

それだけではありません。停電の影響で流通が途絶え、北海道住民の消費も生活必需品中心となり、スーパーや量販店での消費が大きく落ち込みました。これはほかのアルコールメーカーさんも同じです。(佐藤取締役)

hakodate2

そんなはこだてわいんに寄せられたのは、道外のファンからの温かい応援だった。

弊社のECサイトでは、応援メッセージを添えて商品を購入してくださる方が目立ちました。出店した各地の北海道物産展でも、多くのお客さまよりお声掛けいただくとともにご購入いただいております。

個人だけではなく業者からも、「こんなに注文してくれるの?」と驚くぐらいの発注があり、応援してくれているんだなと感じました。

ワインだけではなく、道産品を購入して北海道を応援して下さるお客様が増加しています。

10月以降は復興割の影響もあり、週末を中心に個人の観光客が増加傾向へ。販売面でも昨年の動向に近づいてきました。

しかし、インバウンドも含めてまだ完全には戻ってきていないように思われます。年明け以降は報道も減って、人々の記憶から少しづつ薄れていくことでしょう。年明け以降の復興割効果や春節などによる函館圏への観光客流入に期待をかけています。

地元七飯への強い信頼

地震の影響を聞いていく中で強く感じられたのは、七飯町という土地への強い信頼だった。

はこだてわいんは、創業40年を超えるワインメーカー。観光客だけではなく、函館を中心とした道南地区で愛されるワイナリーだ。観光客や地元住民の間では、すでに“函館のワイン”として定着している。

▼地元では年配の人からも愛されているワイン「年輪」

しかし、10月30日からラベルの表示基準が変更になり、七飯町で醸造を行うはこだてわいんが「函館」を名乗れるのは、会社名だけとなった。

それでも、佐藤取締役は七飯町という土地を信じて、自社畑でのぶどう栽培にこれからも力を入れていくつもりだと力を込める。

七飯町など函館周辺のワイン産地としてのステータスは、これから上がっていくでしょう。七飯町ではリンゴが特産品ということもあり、シードル造りにも力を入れています。

函館を名乗れるワイナリーが増えていく中で、私たちはこれからも新しいチャレンジを続けていくつもりです。

▼はこだてわいんの自社畑

七飯町は、フランスの老舗ワイナリーであるドメーヌ・ド・モンティーユがワイン用ぶどうの栽培をスタートすると発表した場所。実はモンティーユの畑は、はこだてわいんが持っている自社畑と同じ斜面上にある。

ビール大手のサッポロがワイン用ぶどうの栽培のために購入した自社畑があるのは、七飯町に隣接した北斗市だ。

七飯町という土地でさらなる進化を続けていく「はこだてわいん」。長年道内で愛されてきた実績と、地震で実感した道外ファンの存在が、今後の挑戦を支えていくことだろう。

Posted: |Updated:

Text by JPN Manatee

Ranking

All Categorys Ranking総合ランキング