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ALS患者の「自分の声」を残すサービスが始まる!合成音声×視線入力で発話、費用負担の軽減も実現

出典元:Youtube「『ALS SAVE VOICE』PROJECT」

出典元:Youtube「『ALS SAVE VOICE』PROJECT」

株式会社オリィ研究所(東京都港区)が、WITH ALS、東芝デジタルソリューションズと協力し、視線入力と自分の声を基にした合成音声でコミュニケーションが取れるようになるサービスを7月31日(水)から提供を開始した。

 「失声後も“自分の声”で会話したい」を叶える

出典元:株式会社オリィ研究所プレスリリース

出典元:株式会社オリィ研究所プレスリリース

オリィ研究所からリリースされたこのサービスは、声を発することができなくなるALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の「“自分の声”で話したい」という声から生まれた。

これまでも、本人の声を残す技術は存在していたが、質の高い合成音声の生成には十数万円~数百万円ほどの費用が発生してしまい、経済的な事情で声を残せる人が限られているのが現状だったそう。

そこで、ALSの支援団体でもあるWITH ALSの呼びかけにより、音声合成プラットフォーム「コエステーション」を提供する東芝デジタルソリューションズと視線入力を研究するオリィ研究所が協力し、ALS患者に大きな費用や手間がかかる事なく本人の声を残せる方法を目指す「ALS SAVE VOICE」プロジェクトが発足。

クラウドファンディングで資金を募り開発を進め、7月31日(水)にサービスリリースに至ったのだとか。これにより、発話が困難になっても本人の意思をヘルパーなしで伝えることが可能となる。

患者の負担をできるだけ軽減

同サービスの利用方法はシンプルで、まずは、発話が可能なうちにiPhoneの無料アプリ「コエステーション™」に自分の声の特徴を学習させ、声の分身「コエ」を作成する。その後、視線入力で意思を伝達するシステム「OriHime eye」と連携させることで、自分の声でコミュニケーションを取ることが可能になる。

「OriHime eye」は、病気が進行し、話すこと、手を動かすことが困難になった時点で1割負担で購入できる補助制度の対象となるため、費用の負担も比較的少なく済む。

感情表現が可能な合成音声を生成できるため、ただ情報を伝達するだけではなく、これまでになかった感情をのせた発話コミュニケーションも可能だという。

残る今後の課題

出典元:Adobe Stock

出典元:Adobe Stock

ただし、今回のプロジェクトでは、現在まだ発話ができる患者が対象者となるため、すでに話すことが困難になった患者の録音などから復元することはできないが、オリィ研究所は失声した患者でも発話を可能にする方法を探っていくという。

最終的に全身が動かなくなるALS患者の生活をより豊かにするために奮闘する「ALL SAVE VOICE」プロジェクトには、今後も注目していきたい。

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Text by 尾形潤

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