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おしえて企業さん(6)「昼夜でデザインが変わるTシャツ」はなぜ作られた?反射材メーカー×アパレルのコラボに迫る

こんにちは、かみーじょです。

連載「おしえて企業さん」第6回は、八欧産業株式会社が手がける、反射材を使ったクリエイティブプロジェクト『RE:LIGHT(リライト)について。

プロジェクト第1弾としてファッションアイテムを開発したと聞き、さっそく話を伺いました。

昼と夜でデザインが変わるTシャツ

『RE:LIGHT(リライト)』の第1弾アイテムは「リフレクターTシャツ」

Metaphor...

Metaphor…

通常のデザインの上に透明な反射材を特殊加工をしており、光を当てると透明な反射材が白く輝いて別の柄が浮かび上がります。

夜間のフラッシュ撮影や、車のヘッドライトが当たった時に昼と夜で異なる柄を楽しむことができるのです。

異色な企業コラボ

「リフレクターTシャツ」の開発に向けタッグを組んだのが、『RE:LIGHT(リライト)』を手がける八欧産業とファッションブランドのMetaphor…(メタファー)です。

八欧産業株式会社

八欧産業株式会社

八欧産業は、道路標識や路面標示材に使われる反射シートやカッティングシートを取り扱うフィルム加工を得意とする企業。

過去には、同社の加工した反射シートが「小惑星探査機はやぶさ」のターゲットマーカーに採用された実績もある会社です。

Metaphor…公式サイト

Metaphor…(メタファー)は、深津研人さんがデザイナーを務めるファッションブランド。

学生時代レディー・ガガに衣装提供した実績を持つ、敏腕ファッションデザイナー深津さんが生み出す服たちは、どれもシルエットにこだわった感性の光るアイテムばかり。

そんな異色にも見えるコラボは、どのように実現したのでしょうか。

ファッション×反射材の新たな可能性

まずは、反射材を使ったクリエイティブプロジェクト『RE:LIGHT(リライト)』の誕生ストーリーについて、八欧産業の嶋さんに伺いました。

――誕生のきっかけはなんでしょうか。

「きっかけは、『東京デザインビジネスアワード』という企業参加型のデザイン・事業提案コンペティションで入賞したことです。

コンペで、弊社は反射材の高精細なプリント技術を披露しました。

その時にサンプルとして持っていったのが、この反射材で柄をプリントしたTシャツです」

「一見普通のTシャツですが、スマホのフラッシュを焚いて撮影してみてください」

フラッシュの光を反射して、このように絵が浮かび上がるんです。

コンペの受賞で従来の反射材のイメージを覆す、高度なプリント技術を知ってもらうことができました。

この技術をまずはファッションに活かしたいと考え、『RE:LIGHT(リライト)』プロジェクトを立ち上げました」

もともとスポーツアパレルや作業着の分野で、衣服に反射材をつけるという取り組みは行っており、以前からファッション×反射材の可能性を十分に感じていたという嶋さん。

第1弾の商品化を考えていたところ、Metaphor…の深津さんに出会い「リフレクターTシャツ」の制作が始まりました。

奇抜ではない、馴染むデザイン

「リフレクターTシャツ」のデザインについて、Metaphor…の深津研人さんに伺いました。

――デザインする上でどのような点を工夫しましたか。

「デザインで重視したのは、プリント技術を活かすこと。だから、なるべく奇抜にならない、今の原宿カルチャーに馴染むものというのを意識しました。

きっと面白いデザインにすればメディア露出も増えると思います。でも、そういったデザインは露出した瞬間に賞味期限が切れてしまうんです。

そうではなく、お金を払って購入して、身につけて楽しんでもらうことで消費してほしい。そんなことを考えて、普段から着られるデザインにこだわりました」

――苦労した点はありますか?

「実は反射材を使ったファッションアイテムは既に出ていて、それとどう差別化を測るかという点が難しかったです。

既存のものは、無地の衣類に反射材で柄をプリントし、光が当たった時に柄が浮かび上がるというデザインでした。しかし、今回使うのは透明な反射材なので、下の柄を見せることができるんです。

そこで、光が当たっていない時にも柄のTシャツとして使え、光が当たることで別の柄へと変化する、そんな二面性を持ったTシャツにしようと考えました。」

――どのようなメッセージが込められていますか?

「最近テレビやネットで多くの情報に出会いますが、ウソが多かったりするんですよね。それで『目で見たものって本当に信じてもいいのかな?』と思うようになりました。

このTシャツは一見普通のロックなTシャツですが、フラッシュで撮影するとダークな柄に変わります。今、目で見える柄と写真の中におさめられた柄が違うという矛盾を、メディアの矛盾に重ねました」

今後の課題について、嶋さんは「材料費が高いこと。反射輝度の高い反射材素材を使っているので、どうしても材料費プラス加工費のコストがかかってしまいます。まずはここをクリアしたいですね」と語りました。

『RE:LIGHT』とMetaphor…がコラボした「リフレクターTシャツ」は、来年の春夏アイテムとして1枚1万8000円で販売予定。今後はTシャツ以外のファッションアイテムも販売していくそうです。

カッティングシートを扱う会社とファッションブランド、この異色なコラボレーションがこんなにユニークな商品を生みだすとは驚きました。

こういった企業の化学反応により、今後も面白い商品が生まれることを期待します。


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