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旅するライター古性のちさんに聞く「場所にとらわれない働き方」

旅するライター・古性のちさん

旅するライター・古性のちさん

“毎日会社と自宅を行ったり来たり。たまには旅に出て羽を伸ばしてみたいものだ”

その考えはもう古いのかもしれません。

様々な働き方が認められつつある今、旅をしながら働く1人の女性がいます。

旅するライター・古性のちさん

1989年生まれ。WEBデザイナー兼ライター。

2016年6月からおよそ半年間、世界17カ国26都市を巡りながら「旅するライター」として各国の情報を発信。帰国後も「日本・世界のかわいいを切り取り、届ける」をコンセプトに、旅をしながらフリーランスで仕事をこなしています。

世の中に旅をしながら働く人を増やすプロジェクト「旅、ときどき仕事」を立ち上げ、同じ想いを持ったメンバーたちと全国を旅したり、「旅×仕事」のトークイベントも開催しています。

場所にとらわれない働き方をする古性のちさんに、「旅するライター」になったキッカケやリモートワーク術を伺いました。

「旅をしながら働く」10年前に描いた理想の働き方

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水上

旅をしながら仕事をすることを意識したのはいつですか。

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古性

高校生の頃からなので、もう10年ほど前でしょうか。将来は旅をしながら働きたいとずっと思っていました。

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水上

美容師→WEBデザイナー→ライターと様々な経歴をお持ちですが、これも全て「旅をしながら働く」を意識してのことですか。

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古性

そうです。「どの仕事をしたいか」ではなく「移動しながらできる仕事はどれか」という視点で仕事を選んでいます。

 

道具1つでできる仕事がいいなと思い、最初にハサミ1つでできる美容師を、そのあとにパソコン1つでできるWEBデザイナーとライターのスキルを身につけました。

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水上

美容師からWEBデザイナーへの転身は、アナログからデジタルへと大幅な異業種転職ですね。

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古性

確かにそうですね。でも中学生の頃からパソコンに触れていましたし、美容室でもサイトの更新やネット予約の作業をしていたので抵抗はありませんでした。

 

ただハサミがパソコンに変わっただけ、という感じです。大事なのはどこでも仕事ができるかどうかだったので。

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水上

ブレない姿勢が素敵です!2016年6月に世界一周の旅に出ましたが、出発の日を決めたのはいつ頃でしょうか。

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古性

2年ほど前から決めていました。世界一周をする前に個人の発信力をつけたかったので、個人ブランディングが上手い企業に就職して、自分の見せ方を学びました。

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水上

緻密な計画のもと、理想の働き方に向けて着々と準備を進めていったのですね。

旅先での働き方

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水上

世界一周をしている間、どのような仕事をしていましたか。

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古性

世界中のお風呂やカフェを取材して記事を書きました。あとは、旅先で撮った写真をネットで販売したり、WEBデザインの仕事もしていました。

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水上

想像以上に多くの仕事をこなしていたのですね。仕事はどのように手に入れましたか。

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古性

ありがたいことに、「世界一周します」と宣言をしたらいくつかの企業が声をかけてくださいました。

 

旅に出る前から“旅するライター”と名乗ったり、旅の情報をSNSやブログで発信して積極的に自己ブランディングを行っていたので、そういった仕掛けづくりが実を結んだのだと思います。

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水上

日々の積み重ねが仕事へと繋がったのですね!

 

海外での仕事環境はいかがでしたか。

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古性

特に不便なことはありませんでした。主にカフェで仕事をしていましたが、日本よりネット環境が整った国が多く、ほとんどのカフェにコンセントとWi-Fiがあったので場所には困りませんでした。ポケットWi-Fiも持っていかなかったです。

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水上

それは意外でした。日本だとWi-Fi環境があるカフェは限られているので、探すのも大変ですし、行っても混んでいて集中できないんですよね。

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古性

海外はカフェの数が多いぶんお客さんが分散して、混雑時でも4割くらいしか席が埋まりません。席の間もゆったりしているし、周りの会話も外国語なので気にならず集中できました。

旅先での作業風景

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水上

作業をするカフェはどのように見つけていますか。

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古性

その日泊まるゲストハウスの人に聞きます。皆さん親切に教えてくれますよ。

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水上

現地の人の声が一番頼りになりますね。1日の業務時間はどのくらいですか。

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古性

場所にもよりますが、大体1日2〜3時間ですね。

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水上

み、短い!!!

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古性

ゲストハウスに宿泊すると宿に仕事を持ち込めないので、カフェでやりきろうと思うとこのくらいの時間で終わります。

 

会社で働いていると休憩がてらトイレに行ったり、お茶を入れたり、同僚と話したりムダな時間が多くて、だらだら仕事をしちゃうじゃないですか。

 

それがないので作業効率はすごく上がりました!

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水上

集中して短時間でさくっと仕事を終わらせるのは効率的ですね。

 

旅中の仕事道具を見せてください!

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古性

一眼レフカメラ(Sonyα55)、ミラーレス一眼レフカメラ(Sonyα6000)、パソコン(Mac Book Pro)、アクションカメラ(YiCamera)、iPhone、メモ帳(EDiT)、領収書入れ、メガネ、イヤホン、USBです!

古性のちさんの仕事道具

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古性

荷物が多くなるのがイヤなので、最低限の仕事道具だけ持って旅をしています。洋服は現地で買って、帰る時には誰かにあげちゃいます。

海外で旅をしながら働くメリット・デメリット

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水上

まずはメリットを教えてください。

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古性

好きな時に好きな場所で働けるというのもそうですが、個人的には「自分の好きなものがはっきりする」こともメリットだと思います。

 

制限がある中で旅をすると、何かを選択する回数が増えます。例えば、時間の都合で有名な観光地に行くか可愛いカフェに行くか選択しなきゃいけない時、私はカフェを選びました。

 

その時に「私は観光地巡りではなく、可愛いカフェに行くだけで幸せなんだ」と気が付きました。

 

そういった選択の履歴を振り返ると、自分がどんなものに興味を惹かれるのかがわかってきます。

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水上

すべて自由な時間として使える旅ではなく、仕事という制限があることで自分を見直す機会になるのですね。

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古性

あと働くことで定期的な収入があるので、金銭的なストレスは減ります。疲れた時や仕事をしたい時は、ちょっと広めの部屋に泊まることもできます。

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水上

こうして聞いているとメリットばかりですが、デメリットはありますか。

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古性

海外はトラブルがつきものなので、そのタイミングで納期が重なると厳しいですね。

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水上

なるほど……例えばどんなトラブルですか。

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古性

乗る予定だった飛行機がストライキをして、宿と航空券を取り直さなきゃいけないのに、街まではバスで3時間かかるとか。そしてその日に納期が重なって……。

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水上

それは辛いですね。その後のスケジュールも組み直さなきゃいけないですし。

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古性

あとは盗難トラブルです。乗り合いタクシーで移動していた時、赤信号でタクシーが停止した瞬間に、隣のおじさんが私のiPhoneを持ってダッシュで逃げていったり。

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水上

えっ……。

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古性

どこかの国でiPadを買った日に、ゲストハウスで充電をしていたんですが、キッチンに紅茶を入れにいくわずか5分くらいでそのiPadが盗まれちゃって。

 

最初はゲストハウスの中の人を疑ったんですが、監視カメラを見たら全く知らない人でした。

 

どうやらiPadを購入した直後から私の後をつけていたようで、街でパシャパシャ撮った写真に犯人が写っていたんです。ゲストハウスにも私のすぐ後ろについて侵入してきてて……全く気が付きませんでした(笑)

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水上

怖い体験を笑いながら話せちゃうのすごい……。古性さんの身に何も起きなくて良かったです。やはり海外ではトラブルはつきものなんですね。

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古性

盗難は特に気をつけた方がいいです。Apple製品は狙われるので、海外で使うときはAppleマークが見えないようにカバーを付けるか、他のブランドの機種を持っていった方が安全だなって、日本に帰ってきてから思いました。

複数のスキルを身につけることが大切

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水上

現在フリーランスで働いていますが、オフィスにいなくても必要とされる人になるために心がけたことはありますか。

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古性

必要とされるには、1つのスキルでトップに立つか、マルチに仕事をこなせるかの二択だと思います。

 

私は後者を選び、複数のスキルを身につけることを意識していました。

 

これまでの経験から、デザイン、写真、ライティング、ディレクションができて、さらに自分のSNSでも拡散できる力を身につけました。

 

そうした企画から拡散まで請け負えるという点が、お仕事を頂ける1つのポイントだと思います。

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水上

個人サイトやブログ、SNS、noteなど様々なプラットフォームで情報発信をしていますが、そのモチベーションは?

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古性

最初は自分の存在を知ってもらうために情報発信をしていましたが、最近は“旅をしながら働くことの素晴らしさ”を伝える拡散器になれたらいいなと思っています。

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水上

古性さんのブログやSNSを見て、実際に旅をしながら働きたいと思う人も多いのではないでしょうか。

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古性

よく「同じ働き方をしたい」と言っていただけるのですが、私のノウハウだけでは力不足で。他の人の経験談も紹介する場として、今年7月に「旅、ときどき仕事」というプロジェクトを立ち上げました。

 

「旅、ときどき仕事」のサイトで紹介する様々な“旅と仕事”の関わり方から、それぞれに合ったピースを見つけもらえたらうれしいです。

これからは企業が優秀な人材をひっぱる時代

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水上

最後に、今後働き方はどのように変化すると考えていますか。

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古性

スマートフォンやSNSの登場で、個々が影響力をもつようになり、個人が企業を選ぶ時代から企業が優秀な人材をひっぱる時代に変わると思います。

 

そうなった時に強いのは手に職がある人なので、今のうちに強みを磨いておいた方がいいです。

 

また、今までは会社のデスクで仕事をするのがスタンダードでしたが、デスクにいなくてもできる仕事も増えて、働く場所についても柔軟になるのではないでしょうか。

 

そうして、「旅をしながら働く」というスタイルが広まっていくことを期待しています。

「旅をしながら働く」という夢を叶え、今もなお走り続ける古性さんの言葉には、経験者ならではの重みと説得力があります。

理想の働き方の影には、10年間の緻密な計画とたゆまぬ努力が隠されていました。

古性さんのTwitterやブログ、「旅、ときどき仕事」のサイトでは、旅をしながら働く楽しさやノウハウが紹介されています。

これを機会に、今から10年後の働き方について考えてみるのもいいかもしれませんね。

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Text by 水上アユミ

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