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あるの知らなかった…飲食チェーン店の「点字メニュー」に見られる心配り

日頃からお世話になっている飲食チェーン店。

そこに店を訪れただけでは気づきにくい“隠れたおもてなし”があるのをご存知でしょうか。

点字メニューを置く店

何度も足を運んでいる飲食チェーン店で、ふとメニューの裏面に書かれた一文が目に止まりました。

“点字メニューもご用意しております。”

調べてみると、視覚障害のある方向けの「点字メニュー」を設置している飲食チェーン店が結構あるようです。

意外と知られていないこの“隠れたおもてなし”について店に問い合わせてみました。

今回話を聞いたのは、びっくりドンキー、ミスタードーナツ、CoCo壱番屋の3店舗。それぞれ通常メニューとは異なる工夫が施されています。

びっくりドンキーの点字メニュー

びっくりドンキーの点字メニュー

びっくりドンキーの点字メニュー

びっくりドンキーの点字メニュー。表紙は写真付きですが、中は点字と大活字で記されています。

記載順や深夜料金など、店の細かな説明もしっかりと書かれています。

びっくりドンキーの点字メニュー。細かな説明が書いてあります。

びっくりドンキーが点字メニューを導入したのは1994年。入り口スロープやユニバーサルデザイン(多目的トイレなど)を積極的に導入する際に採用されました。(びっくりドンキー担当者)

びっくりドンキーの点字メニュー。赤線は編集部にて追加。

びっくりドンキーにはハンバーグの大きさが2種類あります。

150グラムと300グラムがどれほどの大きさなのか、点字で円を描きサイズを伝えています。

びっくりドンキーの点字メニュー

メニュー名だけで伝わらない部分は文章で補っています。これなら写真を見られなくても、どんな料理が出てくるのか想像がつきますね。

点字メニューは、22ページにわたり詳細に商品情報を伝えてくれるので、視覚障害がある方でもじっくりと食べたいものを吟味できます。

ミスタードーナツの点字メニュー

ミスタードーナツはショーケースを見て注文をするスタイルなので、冊子のメニューがありません。そのため視覚障害のある方にとっては少々敷居が高いのです。

ミスタードーナツの点字メニュー

ミスタードーナツの点字メニュー

いいことあるぞ ミスタードーナツをスローガンに、皆様に楽しんでいただける施策に取り組んでいます。そのひとつとして、視覚障害のある方にも商品を楽しくお選びいただけるよう、点字メニューを導入しました。(ミスタードーナツ担当者)

ミスタードーナツの点字メニュー。メニュー一覧。

点字メニューには“イーストドーナツ”“ふんわりとしたパンの様な食感。中に、クリームが入っている商品もあります。”と商品の特徴を記載して具体的なイメージを与えます。

また、黒いテキストと点字がほぼ同じ場所に書かれているところもポイント。

ミスタードーナツ点字メニュー。赤字は点字の訳。

点字は文字数が多くなるため、印刷した文字と位置が合わない場合もあります。視覚障害のある方とスタッフまたは同席者が気軽にコミュニケーションを取れるように、文字位置を合わせるなどの工夫を行いました。(ミスタードーナツ担当者)

利用しやすい内容、ページ数はどのようなものか。開発にあたり、視覚障害のある方に実際に店舗で使用してもらい検証を重ねて完成しました。

CoCo壱番屋(ココイチ)の点字メニュー

(左)CoCo壱番屋通常メニュー(右)点字メニュー

カレーやトッピングの種類が豊富なCoCo壱番屋。通常メニューは20ページほどの冊子ですが、点字メニューは両面印刷一枚のシンプルなもの。

CoCo壱番屋の点字メニュー

当社では特定原材料を含まないカレーなど、お客様の多様なニーズに応えられるようさまざまな取り組みをしてきました。点字メニューはそういった取り組みの一環で、目の不自由な方に少しでも安心してご利用いただけるよう導入しました。(CoCo壱番屋担当者)

CoCo壱番屋の点字メニュー

記載されているメニューは代表的なもので、サイドメニューはサラダのみ。

“詳しくは店舗従業員にお尋ねください。”という文言があり、店員に話しかけやすくなる工夫もされています。

“いつもの”じゃなくて“食べたいもの”を選べるように

視覚障害のある方が外食をする時は、家族など同席者にどんなメニューがあるのか、焼け具合はどうかなどを聞くのが一般的です。しかし、食事の雰囲気を壊すようで聞くことを躊躇する方が多いそうです。

そのためいつもと同じメニューや与えられたものを食べているという声も。

「点字メニュー」は、外食の楽しみの1つでもあるメニューを選ぶことを可能にします。

何を食べたいのか、じっくりメニューと向き合ってお気に入りの一品を注文できるのです。

今回調べてわかったのは、点字メニューはメニュー名をただ点字にしているだけでなく、いずれもメニューを最大限に伝えられるようにさまざまな工夫が施されていたことでした。

紹介した3店舗以外にも、点字メニューを設置している飲食チェーン店はいくつかあります。しかし、まだまだ少ない印象です。

さらに普及して、視覚障害のある方の選択肢が増えることを願います。

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