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【取材】東日本大震災で被災した防災士が「仮設住宅で暮らすコツ」を紹介したツイートが話題に

Twitter/@kajyuon

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仮設住宅で暮らす際のポイントを紹介したツイートに注目が集まっています。

仮設住宅で暮らす際のポイント

佐藤一男さん(@kajyuon)は9月11日、「仮設住宅で暮らす際のポイント」をTwitterアカウントで公開しました。

岩手県陸前高田市出身の佐藤さん。2011年3月の東日本大震災で被災しました。

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その後、市内の米崎小学校体育館の避難所で運営役員となり、同小の校庭に建設された仮設住宅の自治会長になったそうです。

自治会長として気掛かりだったのは、仮設住宅で「孤立する人」や「孤独死する人」が出てしまうこと。

このことに悩んでいた佐藤さんがお母様に相談したところ、お母様から「畑があればね~」と言われたそうです。

佐藤さんは仮設住宅で野菜を育てることに。さっそく、支援者団体に相談して「プランターと土と野菜苗」を手配して住民に配布。

野菜を育てることで外に出る機会が増え、会話のきっかけにもなったといいます。

また野菜苗はお世話をしないとしおれることから、野菜の発育状況から判断し、住民の様子を確認していたそうです。

確かに野菜を育てることで、外に出やすくなりますよね。佐藤さんのツイートが話題となり、「いいね」も7000件を突破していました。

震災の経験を伝えるために

佐藤さんは2014年、避難生活と防災を伝えるため防災士の資格を取得しました。

避難所運営アドバイザーとして講演会などに参加し、ニュースサイトにも震災で実際に経験したことを寄稿しています。

仮設住宅は住民による自主運営が基本

ここ数年、台風や地震など自然災害が増加しています。

仮設住宅での暮らしについて、佐藤さんにお話を伺いました。

―― 「仮設住宅」で暮らし始めたころの状況について

陸前高田市以外の被災自治体では、仮設住宅入居にあたり完全抽選とした自治体もあると聞いたことがありますが、陸前高田市ではアンケートを取り入居先を決めました。

アンケートのコピーや原本を保管しているわけではないので、記憶に頼るものになりますが参考までに。

1.市内どこの仮設住宅でも良い
2.被災前の町内の仮設住宅を希望
3.〇〇町内の仮設住宅を希望(希望する町名と希望する理由を記入)
4.希望する仮設住宅がある(希望する仮設住宅名を記入)

であったと記憶しています。結果、初期に建てられた仮設団地は、ほぼ、その町出身の人で構成されました。

米崎小の仮設住宅も60世帯すべてが米崎町出身の人で構成されました。

同じ町内出身だから全員が知り合いと言う訳でもありませんでしたが、市の担当課が1~5号棟は町内西地区の人、6~10号棟は東地区の人と、大まかに部屋を割り振ってくださったので、まったく知り合いがいない人はいなかったと思います。

しかし、各町の被災世帯数と仮設住宅の戸数が一致する訳ではありませんでしたので、初期の抽選ではずれた人は希望する(出身の)町とは別の仮設住宅に入らざるを得ませんでした。

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仮設住宅の入居者(当選者)は、2011年4月27日に入居者説明会があり、その場で自治会長として選任されました。

5月3日には仮設住宅の鍵を受け取りましたが、日本赤十字社から全戸に寄贈される家電製品が揃わず、これでは生活できないということで、家電が揃った10日ごろに仮設住宅での生活を始めました。

行政の資料による住民人数は190名を越えていたと思いますが、実際に仮設住宅で暮らした人は183名でした。

差となる人数は、福祉施設入居や世帯の一部が内陸に避難していたためです。最初は、集会所もなく物資配布や班長会議も屋外の通路で開催したことを覚えています。

避難所を出ると支援が来なくなるという噂も飛び交いましたが、実際には多くの支援者さんに支えていただきました。支援が来なくなるという噂を心配し、仮設住宅の入居を断る人もいたと聞いています。

Twitter/@kajyuon

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―― 仮設住宅にお住まいになられて、いつ頃から野菜を育て始めましたか?

5月に入居して、すぐに支援団体への呼びかけを始めましたので、5月の末には第一陣の野菜苗プランターが並んだと記憶しています。

―― 仮設住宅で野菜を育てると決めた際、プランターや野菜苗などを揃えて、全住民の方に配ったのですか?

60世帯全戸に野菜苗のプランターを置きました。

各班に班長さんや協力的な人がいましたので、単身世帯(主に男性の)や12時間勤務をしているような世帯の苗は、近所で水掛けをしていただきました。

―― 仮設住宅で野菜を育て始めてから、住民の方の心境の変化というものはありましたか?

まだ落ち着かない時期に野菜苗のプランターを置いたので、心境の変化を言葉で聞いたことはありませんが、外に出る人も多くなり、隣同士の会話も増えたと感じています。

Twitter/@kajyuon

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―― これから仮設住宅にお住まいになられる方に向けて、何かアドバイスがあれば教えてください。

避難所は、行政職員や民間非営利団体が運営してくださる場合もありますが、仮設住宅は住民による自主運営が基本です。平時の隣近所と一緒です。

平時の隣近所と違うのは、退去期限が決められているということです。隣近所に頼りきりになるのではなく、自ら情報を取りに行く必要があります。

全員が一律に「前を向く」ことは難しいと思いますが、全国の支援者さんに支えられています。良いか悪いかは別にして、最近の災害で被災して、皆さんの前例となる人がたくさんいます。

早めに「相談する相手」を見つけておくと、困った時に助けになります。社会福祉協議会や民間非営利団体などの支援団体さんに相談することも一つの手段です。

少しずつでもかまいません。前を向いてください。応援しています。

―― ありがとうございました。

今後、仮設住宅で暮らすとこになった場合に不安を感じる人も多いと思いますが、その地域に合う交流の仕方があるはずです。

何か困ったことがある場合は、一人で悩まずに支援団体などに相談してみましょう。

※この記事のツイートと画像は佐藤一男さん(@kajyuon)の許可を得て掲載しています。

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Text by 羽田 早菜

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